とり残されて (文春文庫)/宮部 みゆき
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花 収録作 花

≪とり残されて≫ ≪おたすけぶち≫ ≪私の死んだ後に≫ ≪居合わせた男≫ ≪囁く≫ ≪いつも二人で≫ ≪たった一人≫全7編


表紙が怖いのが気になりますが、すばらしい短編集です。

物悲しい話が多いのですが、どれも後味は悪くない えんぴつ


≪とり残されて≫

勤め先の小学校で出会った謎の少年。幻の少年の声に誘われて校内プールにいくと、そこには死体が-。


≪おたすけぶち≫

兄が事故死した崖、通称「おたすけぶち」を訪れた主人公。近くの観光地で兄と同じ名前の入ったハンカチを見かけるのだが-。


≪私の死んだ後に≫

佐久間実は暴漢に刺されて横たわっていた。右腕のあがらなくなった野球投手。「このまま死んでいくのもいいな・・・・・」と思ったところに、一人の少女が現れた!


≪居合わせた男≫

会社経営をする鳥羽は、出張帰りの特急のグリーン車で2人の女性に声をかけられる。話に付き合わされることになった鳥羽だが、彼女たちの口からは不思議な体験が語られ-。


≪囁く≫

「お札が囁いてくる」。喫茶店にてお札に囁かれた男の噂話をする僕と雅子。その話に興味をもってか、一人の男性が声をかけてきたのだが-。


≪いつも二人で≫

僕は突然美女の幽霊にとりつかれてしまった。自縛霊だという彼女は、「私、働いてみたいの」と言うのだが・・・・・・。


≪たった一人≫

梨恵子は毎晩同じ「夢」を見ていた。何故だか懐かしいような、どうしてもそこに行かなければならないような気がしてならない。ついに梨恵子は調査事務所に「夢の場所」探しを依頼するのだが・・・・・。



表題作「とり残されて」と「たった一人」、似たテイストの2編ですがこれがとても良い。

物悲しく謎めいた雰囲気の中、少しずつ心の中をひも解いていくような。

ラストもよく似ていますね。

「たった一人」はとても評価が高い作品みたいですねー。

宮部みゆきさんの長編に繋がるようなテーマとストーリー展開がうかがえます。


「私の死んだ後に」。これ結構感動しちゃいました しずく

心が洗われる作品。