鬼神の狂乱/坂東 眞砂子
「ラストがいい」
あらすじですが、舞台は幕末の土佐。山間の村人たちの中で“狗神憑き”騒動が起こり、数十人もの男女が狂乱状態に陥るという事件が勃発。役人たちが派遣されて事態の鎮圧に向かうが、憑き物の謎はさらに深まり・・・。「事件の中核と経過は、史料に忠実に辿った」と作者が語る、史実を基にした物語。
うん。この作者らしさがプンプンと匂いたつテーマ。ファンにはたまりません。憑き物とか、山間の村とか、こういうの書かせると、ほんとに面白いんですよね、この方は。
実際に読んでいくと、意外にこれまでの作品よりは大人しめというか、静かな感じというか、性に関する描写も少なく、落ち着いたトーンで物語は進みます。しかし、登場人物たちにはしっかりとした存在感があり、憑き物と村の歴史にまつわるミステリも興味深く、ストーリーにはどんどんと引き込まれていきます。
そして、そう来たか、と嘆息してしまう終盤の憑き物に関する“謎解き”と、思わず微笑がもれる爽やかで温かなラストシーンで物語の幕はきっちりと閉まり、いい気分で本をパタン。
いや、よい読書タイムでした。
(ミネ)
- 鬼神の狂乱/坂東 眞砂子
- ¥1,680
- Amazon.co.jp
あらすじですが、舞台は幕末の土佐。山間の村人たちの中で“狗神憑き”騒動が起こり、数十人もの男女が狂乱状態に陥るという事件が勃発。役人たちが派遣されて事態の鎮圧に向かうが、憑き物の謎はさらに深まり・・・。「事件の中核と経過は、史料に忠実に辿った」と作者が語る、史実を基にした物語。
うん。この作者らしさがプンプンと匂いたつテーマ。ファンにはたまりません。憑き物とか、山間の村とか、こういうの書かせると、ほんとに面白いんですよね、この方は。
実際に読んでいくと、意外にこれまでの作品よりは大人しめというか、静かな感じというか、性に関する描写も少なく、落ち着いたトーンで物語は進みます。しかし、登場人物たちにはしっかりとした存在感があり、憑き物と村の歴史にまつわるミステリも興味深く、ストーリーにはどんどんと引き込まれていきます。
そして、そう来たか、と嘆息してしまう終盤の憑き物に関する“謎解き”と、思わず微笑がもれる爽やかで温かなラストシーンで物語の幕はきっちりと閉まり、いい気分で本をパタン。
いや、よい読書タイムでした。
(ミネ)