2017年 5月24日 Bon Vin Clubの105回目となる例会が開催されました。
テーマ:アルゼンチン
・・・・・・・・Wine Lists・・・・・・・・
①KAIKEN Brut
②Don David Torrontes Reserve 2016 Bodega El Esteco
③Mendoza Malbec Clasico 2015 ALTOS LAS HORMIGAS
④MONTEVIEJO 2005
⑤CHEVAL des ANDES 2001
Comments・・・
①プレミアム・チリワインの先駆けである、モンテス社がアルゼンチンに設立した「カイケン」
シャンパーニュ方式で、シャンパーニュの最低熟成期間である15ヶ月を上回る24ヶ月以上の熟成期間を経てリリースされています。
ほのかなゴールドカラーで繊細な泡を伴い、青リンゴの爽やかな香りにバターを感じさせるニュアンス、温度の上昇に伴い、ピノ・ノワールの厚みのある豊かな果実味が現れました。実にリッチなスパークリングでした。
②アルゼンチンの土着品種であるトロンテス。
とにかくアロマティック!
ライチ、オレンジ、花の蜜、バラの花びらのように非常に華やかで、アタックはすっきりと、レモンやグレープフルーツの酸を感じさせ、徐々に熟したライチを彷彿とさせる豊かな果実味が感じられました。
③イタリアワイン界のスター達が設立した「アルトス・ラス・オルミガス」
マルベックは世界的にアルゼンチンと、フランス・カオール以外ではほとんど生産されていない品種です。
2015年ということもあり、かなり早めの抜栓。とても硬く、閉ざされているようでした。
数時間後のテイスティングでもまだ変わらず、デキャンティングを2回、グラスもグラン・クリュ(ボルドー)でご提供。
スワリングでようやく開き始め、カシス、ブラックベリー、スミレの花、そしてブラックペッパーなどのスパイス、焙煎したコーヒー豆やバニラエッセンス、湿った土、スモーキーなオークのような香りが
立ち上り、徐々にマルベックの持つ豊かな果実味と、しなやかなタンニンが感じられるようになりました。
少なくとも、もう3年ほど熟成させたら美味しくなるだろうなという印象で、ポテンシャルの高さを秘めていました。
④モンテヴィエホは、ボルドーの名門ペレ=ヴェルジェ家によって2001年に設立された、アルゼンチンのテロワールとボルドーのノウハウで究極のワイン造りに挑む、南半球最大規模のボデガです。
親交の深かった醸造コンサルタンのミッシェル・ローラン氏も携わっております。
外観はとにかく"黒"で、透けておらず向こう側が一切見えないと言ったら、どのくらい濃いかご想像頂けるでしょうか。
ラズベリーやプラムの酸の香り、ブルーベリー、ブラックベリー等の黒系果実、チョコレートの甘い香りが同居しているかのようです。
深く凝縮された果実味が印象的で、しっかりとしたタンニンは熟成を経てまろやかになっているものの、まだまだ熟成に耐えうるであろうという感想です。
こちらの2005ヴィンテージがワイン・アドヴォケイト誌において90点を獲得したのも納得がいきます。素晴らしい1本です。
⑤テラザスは、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイヴィトン)グループのスティルワインを統括する「エステート&ワインズ」がアルゼンチンに展開するワイナリーで、設立は1959年です。
シュヴァル・デ・アンデスは、テラザスとボルドー・サンテミリオン1級の「シャトー・シュヴァル・ブラン」とのジョイントプロジェクトで、シュヴァル・ブランが唯一認めた「シュヴァル」の名を掲げる、アルゼンチン屈指のグラン・クリュです。
最近では2006年ヴィンテージがパーカーポイント96点を獲得しています。
1999年がファースト・ヴィンテージで、リリース直後からワイン・スペクテイター誌で「そのエレガントなスタイルが、南アメリカのイメージを変えるかもしれない。」などと絶賛され、その類まれなる質の高さから、南半球ワインの業界に一石を投じたとも言われています。
フレンチオークの新樽100%で15~18ヵ月熟成、無濾過にて出荷されます。
外観は紫に近いガーネットで、液質は粘性が高
く、カシス、ブラックチェリー、チョコレート、ドライハーブ、濡れた土、トリュフ、タバコや炭焼きの様なスモーキーさなど実に複雑で、これまでのアルゼンチンワインでは感じられなかったものではないでしょうか。
凝縮された黒系の果実味はアルゼンチンのテ
ロワールそのもので、上質な酸、エレガントなタンニンと見事にバランスし、長い余韻が何とも素晴らしかったです。
ブラインドで、世界的に有名なワインと比較したらかなりいいところまでいけそうな印象です。
アルゼンチンとボルドーの架け橋とも言える、感動的なワインです。
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