先日、ある検討会を傍聴させていただきました。
小笠原自然再生の一環である検討会のはず?
検討会資料も配られ、今までの対策、それによる成果と課題などが報告された。さぁ、それではこの後どうして行くのか?
私たちの懸念しているのは、本来の小笠原の自然に近づいていけるのかと言うこと。過去の取り組みからの知見も多い中、父島での対策は偏っていると疑問視している。
まず、この検討会の資料に基づき話が(検討)が進むと時すでに遅しと思われた。
なぜそう思うかと言うと資料の中にある文言で、
ノヤギ対策について、『速やかに低密度状態にまで個体数を低下させ、最終的には全島根絶を目指す』とある
私の見方ではすでに低密度の域を超えているにも関わらず、変わらぬペースでノヤギ対策が進んでいる。いったい低密度とはどう考えているのか全く分からない。おそらく検討委員の方々も人により全く認識が違うでしょう。そしてどうして速やかに低密度状態にして最終的に全島根絶と言っているのか?『速やかに全島根絶』と言わないのか?である。低密度化状態で何かを期待しているのでしょうか?
ノヤギ根絶してきた各島では植生の回復や鳥類の繁殖拡大などが見られると同時に、それまでノヤギの食圧によって抑えられてきたと考えられるギンネム、モクマオウなどの繁殖拡大など対応が必要となる事例が発生している
とっくのとうに分かっていたはずで、対応が必要となるではなく、速やかに対応するでしょ。
こうした状況を踏まえると今後も父島におけるノヤギ対策を進めるにあたっては、その反動として発生するおそれのある(または現に発生している)外来植物の繁茂による生態系への影響等に関し、これを把握・整理するとともに、対応のあり方について検討する必要がある。
把握、整理はできているでしょ。今から対応のあり方を考えて検討して、いつやるの?
今日の議題については継続して来年度も検討を重ね、その結論を来年度に改定される『管理計画』及び『アクションプラン』、林野庁が改定する『国有林における外来植物駆除実施計画』に反映させていく
来年度も検討を重ねるですって。すでに、第2期(2014年)のアクションプランで父島にも触れているでしょ。ノヤギの低密度化、ギンネム、モクマオウ、リュウキュウマツの低密度化と。ノヤギだけが先行して、他がついてきていないから、更なる生態系に影響が出ちゃうよと私たちは言っているのです。検討、検討で、現場とともなっていないでしょ。
それぞれの観点から各事業に反映できる順応的な生態系保全管理体制の構築を目指すことが重要
とこの第2期アクションプランですでに言っているでしょう。
更に、資料の中には父島のエリアごとに触れるところがありました。その中にはノヤギに関して相当数が生息や目撃回数や糞粒も多くエリア内に多数が生息などとあり、いったいいつのことを言っているのでしょうか?少なくともここ1年以上、目撃回数激減しているはずで、糞などほとんど無いですよ。
この資料を元に、現場を知らない先生方がいらっしゃるので、父島はあきらめるのも何て、とんでもない発言が出てしまうのでしょう。
ちなみに資料にあった場所の写真です。すでに去年の12月には人の背丈を越えるようなギンネムの林になっていました。資料では草原のようなものでしたね。1年くらい前の写真でしょう。1年前の状況をみて、今検討して来年度にいろいろな対策を考える。後手後手でしょう。
で、来年度はもう4月からですよ。
ノヤギ根絶にともなう外来植物繁茂等の生態系影響や景観変化の危惧について、具体的に洗いだし、対策の必要性やあり方の検討、保全価値、技術的現実性、作業困難性、コスト等、様々な視点が必要、中長期的な植生回復の観点から、効果的な駆除の方法の確立や植栽に取り組むための検討も必要、以上について12月の科学委員会前までに方針として取りまとめ、管理計画やアクションプランの改定等に反映。
遅いよ!! また、ここでも検討、検討、で12月。来年度も終わっちゃうよ!!毎回こんな検討会だったのですね。
父島は、最高の島であってほしい。私たち小笠原住民の願いです。