母が退院してから、私の気分転換は掃除とメールでした。

母はとても綺麗好きだったので、私が掃除する事を喜んでいました。占いは日頃から信じないほうでしたが、この時は風水に沿って月曜日は何処を重点にする・・・というようにして母と笑いながら行っていました。母自身も自分でベッドの周りや机の上を片付けていました。母も掃除に参加して病人というより一人の人間として日常生活を送るような感じでした。それも、大切な事だと思います。日常の生活に自然に参加出来る事は、病気を持っていても役割があって大切な事だと思いますしかし、母の死期が近づいた時は部屋の戸を閉めて掃除をするととても不安がり掃除の回数もめっきり減りました。

 インターネットは自宅で過ごす私にとって外界に通じる唯一の手段でした。私なりに滅入ることも多かったですが、親御さんを同じように癌で亡くした友人も出来ました。彼女とは母が亡くなった後も交友関係を続けていて年に一度彼女の住んでいるハワイに会いに行っています。

 自宅で介護・看護をするには生き抜きは大切です。人は自分も癒さないと人に優しく出来なくなるときがあるからです。上手に訪問看護師やヘルパー、又は緩和ケア病棟を利用することも一つの手かと思います。私は、医療的な処置を実施することは看護師だったため全然苦になりませんでした。逆に仕事をしているように逆に生き抜きになったほどです。しかし、医療関係でない場合、反対にストレスに思うこともあるでしょう。そういう時は担当の医師・看護師に気軽に依頼してみるべきです。一人暮らしの方で鏡を見ながら一人で点滴を開始(もちろん実際に血管に針を刺すのではなく、中心静脈の植え込み式のカテーテル部分に針を刺すこと)する方もいれば、毎日医師・看護師が点滴開始だけ訪問するケースもあるということでした



※点滴に使う物品をおかきの缶に入れていた。テープは紐を通してつるしておくと使用しやすい