西狭頌2
西狭頌 後漢 仇靖
今日も西狭頌を臨書。
臨書というのは、書道をやられない方にはどういうものかわからないと思います。
一言でいえば、中国や日本の書道の歴史上優れた書家の遺した古典作品の模写をして自分の表現力を高めることです。
臨書には「形臨」と「意臨」があって、
「形臨」とは古典作品の形をなるべくそのまま模写して造形と点節を勉強すること。
「意臨」とは書道史の流れの中で、各作者がどの位置に属し、何に影響を受けて書いたのかまで考えて、その古典から作者の意図を解釈して自分なりに書くこと。
「形臨」はなるべくそのまま、しかし「意臨」は形臨に自分の解釈を加える。
書道を始めたばかりの方は「形臨」から入るのがよいでしょう。
私も基本的には形臨をしています。
しかし、学ぶにつれて、作者が歴史の中でどんな影響を受けた人物で、その作品に何を、どんな状況・心境で書いたのかまで考えるようになりました。
初めて学ぶ古典は「形臨」から入ります。
書く技術を習得するためです。
しかし、もう何度も書いて模写ができるようになった古典は自然と「意臨」になってきます。
意臨ができるくらい臨書した古典からは、自分の身体に何かを授けてもらった感じがします。
こう書いてみると、やはり臨書には終わりは無いということに気づきますね。