青山吉伸。
大阪府柏原市出身。
幼少期から、類稀な記憶力と読解力を示し、
周囲からは神童と称えられる。
高津校在学中の全国模試では、次々と各科目で満点を記録し、
“満点男”としてニュースでも取り上げられる。
特に、同校3年時に叩き出した、
東大全国模試の総合偏差値107は、もはや伝説。
実家から通える、という理由で京都大学に進学。
京都大学法学在学中に、21歳という、
史上最年少(当時)の若さで司法試験に一発合格。
史上最年少かつ首席での突破であったことから、
神武以来の天才と、大きな話題を集めた。
1988年、ヨガにはまったことから、
麻原彰晃の著作を読むようになり、1989年に入信、翌年に出家。
ホーリーネームはアパーヤージャハ。
1994年、殺人未遂で逮捕。
2002年、懲役12年の刑が確定。
青山にとってテストで満点を取ることなど
造作もないことだった。
子供の頃から、簡単なことしかやってないのに、
周囲にやたらチヤホヤされるのは苦痛ですらあったのかもしれない。
駿台の模試も、京大入試も、司法試験も、
青山にとっては朝飯前のなんてことは無い簡単なことだったという。
にもかかわらず神童、天才と称えられ、
どんどん世間と自分とのギャップを深めていった。
次第に、周囲がこれほどもてはやしているにもかかわらず、
俺はまだ何も成し遂げてない、
何かを成し遂げなくては、と悩み始める。
京大合格も、史上最年少での司法試験合格も、
彼にしてみれば努力をしたと言う
感覚など全く無かったのだ。
やがて何かを成さなければという強迫観念が
彼の心を蝕んでゆきオウムの教義に触れることになる。
そしてこの歪んだ世界を一変させるため
国家の転覆を図り、
新世界の神となることを望んだのだった。
もちろんその願いは叶う事はなかったが。
天才とは奇人と紙一重と言われるような異彩を放つタイプと、
生まれつき目に見える様々な物事を
驚異の記憶力で吸収してしまう神童と
呼ばれるタイプで分けられるが
青山吉伸は後者であり、
大人になるにつれ警句にもある
「神童も、大人になればただの人」という
概念に苦しめられていたのかもしれない。
天才だからといって幸せになれるとは限らないのだ。