●気功のすすめ⑥-站椿功(立禅)-
今日は站椿功(たんとうこう)をご紹介させて頂きます。
站椿功の「站」とは「立つ」、「椿」とは「くい」
つまり「地面に打ち込まれた杭のように」立ち続けるという意味です。
武術関係では「立禅」とも呼ばれており、
特に意拳や太気拳では、基本の修行方法とされています。
私も最後は必ずこれで終わりますし、
実はその時間のほとんどをこれだけに費やしています。
「站椿功」をしていると、少しずつ気功の理解も深まって来ます。
感覚を通して気づかされることが沢山あるのです。
また、気功を始めたばかりの人にとっても分かりやすく、
かつ一番効果の高い方法かもしれません。
「站椿功」にも幾つもの種類があり、様々な流派があります。
写真の私は、肘と腕の高さがかなり高い位置にあり、
どちらかと言えば武術の「立禅」に近いです。
気功で一番一般的な「三円式站椿法」では、
腕の位置はもっと自然に低い位置で構いません。
慣れないうちは、あまり高いと肩に力が入ってしまうと思います。
やり方は、肩幅を基準にし自然に楽な歩幅で立ち、
膝をゆるめて、高い椅子に腰掛けるように腰を落とします。
大きな気のボールを両手で抱きかかえるようにします。
見えないゴム風船や大きな木を抱っこするような形です。
顎は引いて、頭は空から引っ張られるような感じを持ちます。
ハンガーに掛けられた洋服にでもなった様なイメージです。
腕や肩の力は抜いてください。
気のボールに手を乗せているイメージです。
わきの下にも卵が挟まるような感じ。
手首や指の間もゆるめてください。
最初は慣れないために、膝がガクガクしたり、
この姿勢を続けるのが少し辛いかもしれませんが、
慣れて来ると、下半身も安定して来ます。
呼吸は鼻からの自然呼吸です。
慣れたら下丹田(下腹部)で呼吸するイメージを加えてください。
全身で呼吸するイメージが持てると更に良いです。
最後は収功してください。
収功の仕方にも色々ありますが、手の動きと共に
気のボールがだんだん小さくなるようにイメージし、
最後は両手を重ねて丹田(下腹部)に納めると良いと思います。
ポイントは、膝と腰をゆるめ、背骨を伸ばす事です。
なお、膝をゆるめた時に、お尻を後ろに突き出しては駄目です。
いわゆる「出っ尻」の姿勢にはならないでください。
しっぽを丸めるようにイメージすると良いかもしれません。
頭が空から吊り下げられ、高い椅子に腰を下ろすイメージで、
肩の力を抜いて両手で柔らかくボールを抱えて下さい。
最初は5分くらいでも良いですが、
慣れたら15分くらいはやってみてください。
「これによってどうなるの?」は、是非少しずつでも続けてみて
ご自分で感じてみて頂けると嬉しく思います。
風を感じてみてください。水を感じてみてください。
「立禅」とは、自分と向き合うことだと思います。
どうかそこからご自分で、
大切なものを拾い上げて行って頂ければと思います。
本日もお読みいただき、感謝です!