どうすれば、良かったんだろう・・・ | はぴろぐ

どうすれば、良かったんだろう・・・



先日、仕事で横浜に行った。


今にも雪に変わるんじゃないかってくらい


冷たい小雨が降る中、少しでも寒さを防ごうと


コートの襟を立て、首をすくめて


事務所に向かって歩いていると・・・


前方に一目で浮浪者と解る男が一人


道端に座り込んでいた。。



伸ばし放題の髪、何色だったのか解らないくらい


汚れた薄手のトレーナー、そして破けたズボン、、


その全てがびしょびしょに濡れていた。。


体育座りといえば、解りやすいかもしれないが


その格好でうつむき、、ブルブルと震えていた。。


しかもその足元は、、裸足だった。。


(嘘だろ?)


ちゃんと服を着てる僕だって、寒くて凍えそうなのに


あんな薄着でしかも、、びしょ濡れで裸足だなんて。。。


(死んじゃうよ。。せめて靴下だけでも。。)


そう思いながらも、、僕はその場を通り過ぎてしまった。。



でも、、どうしてもその浮浪者のことが頭から離れない。。


安いコートでも買ってあげようか・・・


いや、でも大きなお世話か、、


だったら、せめてタオルだけでも・・・


いや、そんなことしてどうなる。。


そんなの偽善じゃないか。。


本人の為にならないし


自立を妨げるんじゃないのか。。


でも、あのままじゃあまりにも可哀想だし、、、


・・・


彼を通り過ぎてから


僕の中で様々な思いが交錯した。。


そして、結局、引き返すことにした。。


(え~い、知るか。。目の前に死んでしまいそうな人間がいるのを見てほっとけるか)


それだけのシンプルな感情に任せ


近くの自販機で暖かい缶コーヒーを二本買い


慌てて彼の元に引き返した。。


(とりあえず、彼の側に置いて何も言わずに立ち去ろう。。)


そう思って、、急いだ。。


そして、、彼のいた場所にたどり着くと、、


そこに、いるはずの彼が、、いなかった。。


周りをきょろきょろと探してみるが、、


どこにもいなかった。。。



とても複雑な気持ちだった。。


もっと早く来てあげられたら・・・


という、後悔の気持ちと、、


良かった、どこか暖かい場所に移動したんだ。。


という、ホッとした気持ち。。



でも僕は、、本当はどうすれば、良かったんだろう。。



しばらくその場で考えた。。


ポケットの中にある温かい缶コーヒーを


ギュッと握りしめながら考えた。。


でも、、良く解らなかった。。



そんな、、寒い冬の出来事でした。。。