今回の竹島問題に関する日本の各新聞の社説の論調は、概ね韓国の過剰反応に批判的である。その中で、中国新聞は少し違った捉え方をしている。

 「外交の成否は、総合的な戦略能力と世界への情報発信力にかかっている。韓国との領土問題に絡む海洋調査をめぐる日本の今回の動きには、戦略においても情報発信力においても、十分な準備と対応が見えない。日本外交に重大な懸念を覚える。」http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200604200031.html

 非常に正しい視点であると思う。今の状況で、唐突に海洋調査を強行したら、韓国側がどう言う対応を取ってくるかを想像のできない、行き当たりばったの「外交」や相手に有無を言わせぬ「外交」は、もはや外交とは呼べないのではないか。日本政府も外務省も猛省する必要がある。八方塞の外交の中で、ただ「冷静に」もないものだ。内政でも言葉が足りず問題となっている日本政府が、国内以上に言葉を尽くすべき外国に対してそれをしない。問題が起こるのは当たり前である。これほど外交下手で、「根回し」の下手な内閣は今まで見たことがない。ただただ情けない。

 一方、こんな難問山積の中で、いつもの「パーフォーマンス」だけは健在のようである。

http://www.asahi.com/politics/update/0421/001.html

 リーダー不在の日本がどこへ迷いこむのか、非常なる焦燥感を覚える。

山口実