きのうからTVは、ワイドショーはおろかNHKのニュースまでこの方の話題でもちきりでした。

 ぼくら音楽の世界で生きている者を縛り付けている音楽著作権法という法律では、曲の作詞者・作曲者の死後70年間は、御本人の著作権を継承した(通常は家族)方の許可がJASRACという音楽著作権管理団体を通して書類という形で降りなければ、歌手・演奏者は自分で勝手に楽曲をほんの1部でも改変してしまうことはできないんです。

 それが、イントロに台詞を一言加えるだけでも、音楽著作権法違反になって刑罰が科せられるんですよ。

 

 幸い、この方の御子息が弁護士をされているということで、一切を不問にするとのことで歌手との争いは円満に終わったようですが。

 マスコミはもうはや「紅白歌合戦で解禁!」なんて大騒ぎしています。

 でもね、紅白の出場者が決定するのは今月末から来月初旬にかけてなんですから。まだ、そこまでは、ね。

 歌手の方はNHKから見ると、この争いのことがマイナスになってますから。

 たとえ和解したとしてもプラス・マイナス・ゼロになるかどうかですよ。事件の始まりは2年前の紅白。NHKにしてみれば、年末の顔である紅白に泥を塗られたようなものですから果たしてどうなるのか。

 

 また、作詞家の方もあまりにこだわりすぎです。

 月光仮面というのは観音菩薩様の斜め横に控えている月光菩薩が原典ですからね。

 信条は「憎むな 殺すな 赦しましょう」ですよ。

 原作者で問題の歌の作詞家でもある御本人がお亡くなりになったことで、歌手の方を御遺族が赦しましたけど、御本人が生きていたら、いや、お墓の中に入っている今でも、赦してはいないと思いますよ。

 

 作詞家の方が北海道は函館市出身ということで、函館には御本人から寄贈された「月光仮面」の銅像が立っていて、観光名所になっていますけど、向かい合うのが複雑です。