前ロールとリアルタイム入力の切り換え | かやくりひblog

前ロールとリアルタイム入力の切り換え

先日の情報保障で、数人が自分の体験談を壇上で披露するコーナーがありました。

発表者の1人が難聴者で、手話はあまり得意でないというので、急遽、表示機を舞台に近づけて、椅子の上に置いて、発表者に画面が見えるようにしました。

プロジェクターを動かすことはできないので、VGAケーブルもLANケーブルも長いのがあったことが幸いして、うまく表示機を移動させることに成功しました。

そこまではよかったのですが。

体験発表者は、すべて原稿を読むことに決まっていました。

ほかの発表者は、ほとんど原稿どおりに読んだのですが、1人だけ、内容は原稿に沿っていたものの、朗読はせず、当日大急ぎで前ロール用に入力した担当者は、待機者に「お願い」とリアルタイム入力を頼むことに。

時々、原稿を読む箇所が出てくるので「ここから原稿を送ります」といって流すのですが、すぐにまた原稿から外れて喋りはじめます。

この繰り返しで、前ロール流しを担当した人は大変なことになってしまいました。

原稿なしで話ができるというのは貴重なことですので、原稿どおりに読まなかった発表者を非難したいのではありません。

終了後、担当者も「原稿から外れたとわかったら、前ロール流しは思い切って辞めにしてリアルタイム入力だけにするほうが得策だね」と感想を述べていました。

当日原稿を渡され、大急ぎで入力して間に合った時など、入力したデータを活用したくなるのも人情ですものね。涙を飲んで原稿の活用を諦めるのも、ちょっとした勇気が必要なのです。