家具と時代の流れと | び~えむの日記

び~えむの日記

徒然なる日々思う事を書き留める日記

 

 

 関西に部屋を借りて、地元との往復生活も早一年以上経ち。

当時は駆け足で借りた部屋も暮らしに慣れたのか色々と不便さ

も感じて来た事もあり、年末年始を目途に引っ越しを考えてい

たりします。

そんな訳で新たな新居の家具新調の為、色々と物色していたの

ですがその事について感じた事を残しておきたいと思い、この

日記を書いています。(ちょっと無駄に長いです)

 

ネットで色々と物色した中でこれは良さそうかな。

と一つのブランドに目が留まり、まずはカリモクのショールーム

にお邪魔しました。

家具と言っても自分は今までそれほどこだわった事も無く、

ニトリとかそういう所のそれなりのデザインであれば良いと

思っていたので、そういう安かろう目線で商品を見ると、

カリモクさんは値段的には結構高い印象。

でも、物自体はやはりというか良さがヒシヒシと伝わって来る

感じで、こういうのを値段見ずに買えるようになりたいなぁ。

などと思いながらも現実的な買えるモノの中での品選び。

でも制約ある中での買い物もこれはこれで楽しい。

店員さんにも説明を受けたりもしつつ、必要なモノの品目と

実際どれぐらいの予算が必要なのかの皮算用をするのでした。

 

カリモクのショールームは、ここでは実際に商品は買えない

システムになっていて、後で発注するスタイル。

店員さんも買わせるような感じでも無く、あくまでも商品のサポート

に徹するに留まり、緩い感じの説明なのも好印象でした。

あと、カリモクさんの特徴はザックリと言えば椅子です。

とにかくデザインと座りやすさはかなり良くて、座り仕事をする者

にとってやはり椅子って大事だなと深く思わされるのでした。

 

ただ本音を言えばやはり高いな。っていうのもあって、ならばと

思いつきで急遽、大塚家具も見に行ってみようと車を走らせます。

大塚家具は経営者の御家騒動でお騒がせしたのが記憶に新しい

ですが新しく娘さんが社長になって、どういう感じになったのか

見てみたいなと投資家目線での好奇心も少々。

たしか元々はやや高級だった価格帯から客層を広げようと、

中間層のモノも増やしたり、リユースやアウトレットも扱ったりと、

会社の方向性自体が変わる中で、働いている社員さん変化にも

気になっていたので、その辺も話を聞いてみようかという

スケベ心満載でのご来店。

 

さっそく来店もこちらは噂のとおり店内に入り、まずはドーンと

カウンターがあって店員さんがシステムの説明。

記名は求められなかったものの、店員さんが一緒に着いて来て

説明をしながら観て歩くスタイルでした。

店内は物凄く広く、カリモクではベッドの数で言うと40くらい

だったのが大塚家具では約300とこれだけ比較しても8倍

近くの広さ。

そしてさらにアウトレット&リユースは別にあったので、実際に

観終わった頃にはヘトヘトになるくらいの広大さでした。

 

とにかく商品の数と種類には圧倒されたのですが、それを

さらに超えて驚かされたのは店員さんの知識。

店内のほぼすべての商品の場所と商品知識を理解していて、

質問してもノータイムで丁寧に答えてくれました。

自分に着いてくれた店員さんは今年入社三年目の若い女性

の方だったのですが、「この商品は今放送されているドラマの

逃げ恥に使われてて大人気で入荷待ちなんですよ。」とか

「このデザイナーさんはこういう人で~」みたいなウンチクも

バンバン挟んできます。

話し方も丁寧で嘘っぽいのやうる覚えっぽいのも無かったです。

こんな若い子でもこれだけ知識あるっていう事は、きっと会社

としての社員教育も行き届いているんだなと。

ニュースなどでは会社の変化で社員の士気も下がってる的な

事を見た覚えがあったので実際に来てみないと分からない

ものだなと思わされるのでした。

 

 さて、ここからが自分の書きたかった事。

家具を見て回って思ったのですが、おそらく家具というモノは

昔の古き良き昭和時代の感覚で言えば、人生においての節目

で買う一生モノの買い物だったのだと思うんです。

自分は結構引っ越しの多い家の子でしたが、特に幼少時代の

夜逃げの時にも、母親は結婚の時に買ったであろうタンスと

化粧台は絶対に手放したくないと、必ず取りに戻ってました。

おそらく家具というモノは少し前の世代の人にとっては、生活と

思い出が詰まった替えがたいモノであったのだと思います。

だから、多少高価でも良いモノを覚悟して買ったのかなと。

 

それが、今の時代になって家具自体がカジュアルなモノになり

値段も下がり飽きたら捨てて変えられる時代に移り変わって

きていると。

大塚家具は、昔は家の新築とかで家具を一気に揃える際など

に、それこそ代替わりですべてをサポートしたりしていたそうで、

そういう層が居た頃のビジネスモデルだったのが、今はそういう

感じでも無く、一点のポイント買いが多くなってるそうで、それだと

お客さんに店員が一人着くシステムはコスト的に成り立たない

んだろうなと。

なんていうか、店員さんの一生懸命さと商品自体の価格帯の

広がり。そして来店されているお客さんの層の広さ等を眺めながら

時代の流れというか変化というか日本においての家族というモノ

のあり方とか、モノに対する思い入れや愛着等、色んな事が頭を

過ぎり考えさせられるのでした。

家具という目線で言うと、大塚家具さんは凄く良い会社だと

思います。久美子社長がTVで話していた家具へのこだわり、

社員さんの頑張り、実際に目の当たりにしてとても伝わりました。

 

でも、投資家目線で言えば、大塚家具は買えないなと。

まず商品在庫があり余り過ぎている。中低価格層を扱いだした事

により、高価格層の商品は売れずに残ると思います。

いずれは会計的に処理せざるをえなくなるように思います。

そして、おそらく高コスト体質の中での売り上げ減なので、ここから

増収増益に持って行くのはかなり厳しいのかなと。

会社としての理想と現実。普段はあまり思い入れは持たないよう

にしているのですが、それでも今回のショールーム訪問は色々と

感慨深かったです。

 

一つだけ今回家具を見て回って、ふと自分の事に置き換えてみて

思えた事は、

今回の自分の買い物が、人生においての節目だったと思える

ような大切な買い物でありたいなと。

そんな買い物が出来るよう、しっかり吟味して良いモノを選ぼう。

それが家具の世界で働いている方達への自分なりの気持ち返し

なのかなと、ふとそんな事を思うのでした。