1. Here Comes Perdition
2. Hellbringer
3. The Colossal Hole
4. No Saviour
5. The Vacant Pale Vessel
6. Rotten Disciples ★
7. Dehuman
8. The Unhallowed Tide
9. Tormentopia
日本のドゥーム/デスメタルバンドによる4作目フルレングス。
毎度お馴染みゾンビ肉食!なジャケットで素敵です。
奴らが通った後はぺんぺん草も生えやしねえ!(キリッ
日本発のバンドの中でも、この界隈では屈指の人気を誇るCoffinsが帰って参りました!
最近はEPサイズのリリーズが続いていて久しぶりのフルレングスですが、レーベルが何と名門Relapse!
ということもあって、メジャー寄りの音楽性になったのかと危惧もされるでしょうが、何ら心配はなくいつものCoffinsです。
つまり、激重激渋に肉を引き千切り地を均すかのようなウルトラヘヴィドゥームデス。
今作は、前作よりもやや90'sの旧学校系デスの要素が色濃くなったかな、と。
EPではその片鱗を結構おもむろに出していましたが、アルバムでは若干抑え目。されど、作品のいいスパイスでドコドコ爆走しかけています。
彼らの場合、この「しかける」というニュアンスがポイント。
決してネジが切れたように暴走はしない。けれども、速度を上げてぶん回すかのように疾走するため、いいタイミングにフックができている感じ。
若干速くなっているので、2枚目の激激重なドゥームデスを期待している人にはイマイチかもしれないです。
また、プロダクションも結構クリアというかしっかりと粒立って聴こえるので、アングラ臭は若干薄まりましたしね。
私的にはかなりの好みのツボを押されたので、全然気にならないですけども。
相変らずの糞重たいチューニングのギターで死肉のような世界観を演出していますが、リフはわかりやすかったりして、この辺日本のバンドらしいって感じなんですね。
Voもよりえぐみを増していて、地の底から這い出てきたかのような呪いのグロウルを披露しています。そこに噛み付くようなグロウル/喚きコーラスがあったりとなかなか風情があってよろしい。
ゾンビが蠢くようなSEからうっすらとノイジーなリフが立ち昇ってきて緩やかに疾走感を絡めるドゥームデスM-1、ノリのいいドラムからわかりやすい疾走感とリフが豪快なM-2、音数少ないドラムと引きずり込むような重さでゆっくりと反復し合間のソロっぽいリフ回しもやたらかっこいいM-3、邪悪なリフと野太い咆哮に導かれて作中最もネジが外れかける爆走曲M-4、わかりやすいリフとノリのいいリズムで弾むようなのに糞重たい不思議な質感を持ちギターソロも渋いM-5、独特のリズムでドコスコ疾走するこれまた豪快かつ邪悪なグロウルの畳みかけもかっこいいM-7、怪獣が踏み鳴らすようなリズムと前のめりに吠えるグロウルを覆うようにビヨーンニュイーンとギターが行き交うウルトラヘヴィなM-8、若干達観したように俯瞰しているイメージを持った淡々としたドラムと我関せずと暴虐的な激重ギターを振り回すM-9とうーむやはりかっこよい。
そしてやはり作中最重なリフと邪悪極まりない咆哮で幕を開けるM-6がお気に入り。
この曲のリフも鈍くそれでいてゴリゴリと削り取るような感じでどえらくかっこいいの何の。
だんだんとテンポを上げてヘドバンが心地好さそうなパートがあるのも嬉しい。
短めだけど迫ってくるようなソロっぽい部分がうおお・・・ってなりますね。
またベースも非常にグルグル鳴っていてほんと渋い。
とても素晴らしいアルバムだと思います。
レーベル説明文に「彼らの音楽はゴジラが歩き去った後の東京のようだ」というような言葉がありますが、今回もそういった音楽性を崩していないのは嬉しいところです。
ドゥームデスの中では速度もあり、比較的ノリやすいと思うので是非試してほしい。
陰惨で邪悪極まりないが、風格が出ている貫禄の一枚。
(2013年発表)
満:★★★★★★★★★☆(9.5/10)
薦:★★★★★★★★★ (9/10)