1. Welcome Home
2. Fire, Fire ★
3. Nothing Left to Lose
4. Lights Go Out in London
5. I Am Electric
6. The Long Goodbye
7. Heartbreaking Son of a Bitch
8. Be Somebody
9. Can't Let Go
10. The Price We Pay
11. Jump Back
12. Executioner's Day
UKのロックバンドによる初フルレングス。
初回のスリーブが結構かっこいい感じでお洒落です。ブックレットがポスター。
じわじわときていたらしいですが、初聴のバンドで、これが初アルバムとは思えぬほどの完成度。
単純に、そういった感想を持ちました。
それもそのはずで、中心メンバーは別のバンドで活動していた模様。
彼らの音楽性と言えば、UKラウドの歴史を辿り、行き着いた先のようなもの。
ヘヴィメタル/ハードロックの範疇にはくくられるようですが、その実、かなりの割合でUSオルタナティヴ、つまりグランジ~ラウドロックの系譜に位置づけられるようなイメージを持っています。
それをしっかり今風の味付けでキャッチーなロックアルバムに仕上げています。
とは言っても、基盤にあるのはブルース。
ブルース~サザンロックを源流に持つリフが拝める辺り、温故知新と言えば早いかもしれません。
Black Stone Cherryに最近のBullet For My Valentineを掛け合わした感じ、と言えばわかりやすいかもしれませんね。
彼らの不思議なところは、ここまでキャッチーなハードロックをやっているのに、ファン層はそうではないUKインディーギターロック好きにも受けるであろう音楽性であること。
例えばMuseやBiffy Clyro、StereophonicsやInMeなど名うてのバンドともしっかり共振しているんですよね。
アルバムのほとんどが疾走感溢れる曲ですが、数曲挟まるヘヴィネスとメロウネスを混在させたようなパワーバラード、カントリー経由のバラードなどのメロディーがかなり素晴らしい。
こういった曲でもしっかり個性を出せているのが、末恐ろしいですね。
Voは少しカート・コバーンにも似たざらついた声質であれど、全く違う魅力的な声です。シャウトから情熱的な歌い上げまで自在に行き来しており、なおかつ見た目もいいので人気出そうな。
派手なリフと絶叫からキャッチーなHRを繰り広げていくM-1、重心の低いロックがDarknessやAC/DCらと共振するM-2、退廃的な色を出すギターでそろそろと盛り上げてサビで爆発するM-4.、ザクザク進むリフと曲の進行がMuse×Nirvanaのような趣を出すM-5、若干BFMVのようなドラマティックな雰囲気を出すM-6、キャッチーなリフが泥臭く粉塵を巻き上げるようなM-7、重たいリフがゆったり弾かれて伸びやかにVoが歌うM-8、90年代オルタナティヴのような空気感を持つこれまたコーラスで盛り上がるM-9、シンプルな弾き語りバラードM-10、どこかVan Halenのようなリフを持つ80sメロハー好きにはたまらなさそうなM-11、大地を揺るがす図太いドラムが心地好いM-12とキャッチーな楽曲のみで構成されています。
中でもM-2のポピュラリティたるや異常!
四の五の言わずに聴きやがれってんだ!ってくらいにキャッチー。
近年、ここまでわかりやすい曲を書くバンドも珍しい。
なおかつあざとくない上に聞きやすいというバランス。
老若男女にお薦めできるロックバンドが出てきたな、という印象です。
このまま活動していけば、数年後にはヘッドラインは無理でもそこそこ上のポジションに躍り出そうな感じですね。
こういう野心的なバンドは応援していきたいですね。
(2013年発表)
満:★★★★★★★★ (8/10)
薦:★★★★★★★★☆ (8.5/10)