1. Goodbye
2. Plans Within Plans ★
3. Ausländer
4. Schwarze Kraft
5. Berlin Occult Bureau
6. On Your Street Again
7. No Tomorrow
8. Ace Frehley
9. Run Run Run Run
10. Geistkämpfer
UKのサイケデリックロック/ストーナーロック/ドゥームメタルバンドによる2作目。
ジャケットとアートワークが簡素ながらも凝っていてかっこいいです。
デビュー作が結構高評価だった彼らの2枚目ですが、黒さに磨きがかかりました。
前作も片鱗としてあった密室的な魔術儀式要素が増大、Black Sabbathが如き重たいギターと絡んで不気味な世界観を繰り広げています。
前作はどちらか言えばストーナーでずるずると煙たくスラッジ要素も絡んでいましたが、今作ではその要素が味付け程度に減退。これには落胆する人もいそうですが、自分的にはむしろ好ましい音作りで嬉しかったです。
強い酩酊を引き起こすリフは黒々と渦巻き、それにも増してズリズリゴリゴリしているベースも素晴らしいです。
むしろ、このアルバムの肝はベースとドラムにあると思います。
大きく生々しい音量でぶっ叩かれるドラムと時に破壊的に這いずり回るベース。このバランスが非常に絶妙。
故に、酩酊を呼び起こすギターの妖しげな雰囲気を増幅させ、聴き手を酔わせます。
ドゥームメタルでも、彼らはBlack Sabbath~Heaven and Hell辺りの系譜に位置するため、基本ゆっくりながらも時に豪快に疾走する曲もあるので退屈はしないです。
線の細いVoは妖しく響き、繊細さもあるUkロック然としながらもしっかりとドゥームメタルに馴染んでいます。
この辺りは、酩酊と同時に憂鬱さも呼び起こす繊細で哀愁的なメロディーにも合っていますね。
図太くノリのいいリフとドラムで豪快に揺らすM-1、重たいリフで奈落に引きずり込み無理矢理儀式に付き合わされるような閉塞感があるM-3、マイナーコードの変なリフとベースが煙を巻き上げるようなM-4、ブリブリと唸るベースとドコドコリズミカルに叩かれるドラムが合わさり不穏な空気を作り出すキモいリフ(褒め言葉)も聴けるM-5、Black Sabbathのような黒々としたギターは最初から独壇場を繰り広げるM-6、絶妙なキメでクソ重たいリフにより聴き手を強い酩酊に引き込む哀愁的なM-7、何故かKISSのあの人の名前が冠された彼らなりにノリのいいドゥームロックM-8、乱打されるドラムがブリブリベースと疾走してると言えなくもない切迫感のあるM-9、妖しげなVoと重たい演奏により壮絶に根暗空間を作り上げるドゥームメタルM-10と好きな人は外さない作風かと思われます。
反復するリフが哀愁的なメロを渦巻き描くM-2がツボでツボで。
聴いてると膝を抱えたくなりますね。
メランコリックな質感を持っていますが、フューネラルドゥームのような絶望感はありません。
その代わり、密室的な気持ち悪さがあり、非常に癖になります。
たぶん、エコーかけまくったVoがゆらゆら立ち昇るせいかもあるんじゃないかなと思います。
また、この曲のベースがやけにかっこいい。鳥肌立つかっこよさ!
比較的聴きやすい部類にはなりますが、こういうのがお嫌いな人にはやっぱり受けなさそうな音楽性ではあります。
ですが、ちゃんと作りこまれた世界観は圧巻ですし、38分弱という走行時間も程好く胃もたれしない感じでいいのではないでしょうか。
Tony Iommi的なギターというかBlack Sabbath界隈が好きならまず外さないんじゃないでしょうか。
でも、Voの質感からも案外UKロック好きにも受ける気がしなくもないです。
(2012年発表)
満:★★★★★★★★★ (9/10)
薦:★★★★★★★★☆ (8.5/10)