1. Biogenesis
2. Unsummoned ★
3. Torturous Insemination
4. Self Inflicted Raptur
5. Abcess of Oblivion
6. Religion the Plague
7. Epoch Unending
8. Fractal Disinegration
9. Fate Beyond
10. Remnant 2012
USのブルータルデス/テクニカルデスバンドの初フルレングス。
怒涛の勢いで突っ走るブラストビートにいかついガテラル、耐えずギュルギュルしているギターと、デロンデロンのベース。
というわけで、テクデスとは言うものの、ブルデス~オールドデスを行き交うスタイルの作品です。
面白いのは、ところどころ微妙にメロディーをつけているところ。
故に、凶悪なまでにぶん回してくる音の中でも、しっかり曲が色づいています。
スラムデスに近い若干Raw寄りの音質ですが、Beneath The Masscreの1stのような音質なので、好きな人は好きだと思います。
が、いかんせん地味。
ドラムがどえらい速度でブラスト叩く人ですが、地味なものは地味。
いやでもこのドラムめちゃくちゃ速いです。とにかく速いドラムが好きな人には打ってつけ。
Originに近い作風と言えば作風ですが、こっちは徹頭徹尾スピードにこだわっているのか、序盤の曲こそテクデスのようなリフを差し込んできますが、後半になるにつれて速くもっと速く!と展開を無視したような作風に変化していくのが面白い。
加えて、聴き進んでいくとスラムデスのようなゴリゴリ感が出てくる作品だと思います。
Voは聞きやすくいかつい咆哮なので、たぶん大丈夫でしょう。
ゴリゴリのリフで耳を削りまくる序盤からキメのリフが印象的なブルデスM-1、スコココとドラムを軽快に叩いたかと思えばトリガーでドドドドと走りまくるスラムデスっぽいM-3、邪悪なMorbid Angel風イントロからデロデロしたリフ主体の魔界系デスメタルに展開させていくM-4、再びカラッとしたブルデスに変化してズンズン迫ってくるM-5、映画のSEサンプリングからCryptopsy風テクデスを繰り広げる終盤のスラムパートがなかなか渋いM-6、奈落に突き落とすような重たいリフの中をスタスタドラムが走り回り展開に癖を持たせているM-7、ギュルギュルとギターがドラムと絡み合って極低音のえげつないブルデスM-8、メロディックなリフでちょっとしたアクセントをつけて絶叫とブラストビートで畳み掛けてくるM-9、流麗で妖艶なインストM-10と、ブラストビートばっかり言っている気がします。でもしょうがない、ほんとだもの。
作中最も展開が派手で鬼気迫るM-2がお気に入り。
この曲のブラストはグラヴィティって奴なんでしょうかね。どえらい速度でぶっ放してきますよ。
中盤のキモいギターでデロデロした空気を作り出して「うぎゃあああああ!」と叫ぶVoで毛穴開きます。
ただ、デモ音源の方が迫力合って好きだなあ。
聞き終わると、ドラムはえーなー・・・って感想で一杯になりますね。
いや、リフもしっかりと作りこんでいるのですが、やっぱりこの圧倒的速度のドラムに耳がいっちゃうというか。
ある程度以上の基準は全然クリアしていると思うので、速度と共に印象的なリフが満載された2枚目を期待したいです。
メンバーチェンジや意識の変化で作風変えさえしなければ、化けそうな素養は感じさせます。
(2012年発表)
満:★★★★★★★★ (8/10)
薦:★★★★★★★☆ (7.5/10)