1. Cold Call
2. Guards
3. Indian Curse
4. Enemy Prayer
5. Wind Won't Howl
6. Big Chief II
7. For Nothing
8. Invisible Men ★
UK(でいいのかな?)のプログレッシヴ・ロック・ユニットによる4枚目。
ビッグネームによるプロジェクトですが初聴です。
このユニットは、Fates WarningのJim Matheosと元Dream TheaterのKevin Mooreから成る二人組です。
また、前作及び今作では、Porcupine TreeのGevin Harrisonがドラマーを努め、彼所有のスタジオで録音したようです。
音はと言えば、シンセを駆使したインダストリアル的な打ち込みに、ラウドなギターと呪術的なメロディー、加えてヴォコーダーを通した機械的なVoで構築された冷たく妖しいプログレッシヴロックとなっております。
乱暴に括ると、Porcupine Tree+NINといった趣で、PTの妖しく美しいメロディーだったり、NINのように適材適所で鳴らされるギターリフ+シーケンスを多用した打ち込みといった要素が好きな方ならかなり受けがいいと思います。
ところどころ、ブラスト気味に踏まれるバスがエッセンスとしてあり、またクリアでエッジの効いたドラムがかなり格好いいです。
要は、インテリジェントな空気を漂わせており、なおかつマッチョイズム(肉体性)もしっかりあるため、非常に理想的なロックサウンドだったりします。
ヴォコーダーを通したVoは冷気漂う音骨格に合ってるのですが、特に機械加工しなくてもいいんじゃ。。。と思ってしまいました。この辺、エモーショナルなVoが好きな方には受け悪いような。
妖しげなシンセと音声サンプリングを切り裂くようなギターリフがかっこよすぎるM-1、ファンクグルーヴなベースが心地好い地響きを上げるようなヘヴィロックM-2、一転呪術的なメロディーがPorcupine Treeを彷彿とさせるしっとりとしたM-3、鋭く重いギターリフの裏で清廉なシンセが心地好さを演出するインストM-4、ダブ.トリップホップ的な深淵を覗かせるシンセサウンドにゆったりとした美メロが被さるヘヴィなM-5、手数足数の多いドラムと妖しいメロディーにバキバキに加工されたエレクトロと重たいリフが乗るインダストリアルロックM-6、作中唯一のドラムマシンが響くオルタナカントリーといった趣の哀愁溢れるM-7と、多彩な楽曲が並びます。
中でも圧巻の電子渦巻くプログレッシヴロックM-8が凄まじい。
前半はサイケなギターが鳴り響くMassive Attackのような音。
4分過ぎからラウドなギターを挟み、もったいつけて6分半辺りで炸裂するカオティックでメタリックな展開に背筋がゾクゾクしました。
約10分と長い曲ですが色んな表情を見せてくれるため、飽きない仕様です。
以前にはPorcupine TreeのSteven WilsonやOpethのMikael Åkerfeldt、はたまた元Dream TeaterのMike Portnoyが参加していたりと、出自から結構想像しやすい音かも。
ただ、DTってよりはPT寄りの音なので、Porcupine Treeのファンの方がはまるかもしれません。
無機質でひんやりとしながらもところどころ暖かみを感じさせる音造りはさすがといった感じですね。
万人にオススメできる作品です。
(2012年発表)
満:★★★★★★★★☆ (8.5/10)
薦:★★★★★★★★★ (9/10)