殺し屋ジョー | Blow Jazz

殺し屋ジョー

ウィリアム・フリードキン監督作品“Killer Joe(2011年)”を観た。

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これは傑作。
日本ではロードショウは見送られ、レンタルDVDでしか観られないからか、邦題は「キラー・スナイパー」とB級映画なみのいい加減さ。
なめられたもんだね、フリードキンさん。

「フレンチ・コネクション(1971年)」で刑事映画の新境地を拓き、「エクソシスト(1973年)」でオカルト映画の概念を引っくり返し、「クルージング(1980年)」ではハード・ゲイを真っ向から取り上げハリウッドを仰天させた巨匠にこの扱いは非道い。
(「クルージング」については以前記事にしました。⇒「押入れを整理していたら」)

さて作品なのだが、ブラック・コメディ・サスペンスといった趣か。

物語の大筋は、ヤクザへの借金返済に窮した青年が父親とその愛人と共謀し、母親を殺し屋に殺害させ保険金を騙し取ろうとするもので特に目新しさはない。

しかし面白いのは、登場人物達が悪党で変態でロクデナシで阿呆でクズばかりなところ。
展開もよく考えられており、最後まで緊張感を途切れさせず魅せてくれる。
舞台劇の映画化らしく、物語運びは会話が主体となっているが、そこは流石フリードキン翁、刺激的な映像満載だいっ。

開幕数分で、ジーナ・ガーションが下半身だけ裸の姿で登場するのでのけぞってしまう。

ジーナ姉さんといえば、1995年圧倒的支持でラズベリィ賞をかっさらった「ショウガール」では惜しげもなく美しいヌードを見せてくれ、ウォウシャウスキィ兄弟による初監督作品「バウンド(1996年)」ではレズのタチ役でこれまた濃厚なラヴ・シーンを披露してくれたアヒル口なのにビッチでエロティックな女優さん。
小生は好きだ。

映画はその後も、ヴァイオレンスあり、エロありと、まあとにかく下品。
フリードキン翁、御年72歳。まだまだいろんな意味で現役なんですなぁ。

では映画のエンド・ロールで使用された盲目のギターリスト歌手クラレンス・カーターの小ヒット曲“Strokin’(1988年)”のPVを。
色っぽいお姉さんの腰の動きをお楽しみください。
こういった粋な選曲、流石フリードキン。