昨日の打ち込みと打って変わって、今日は癒し楽曲のリハーサル。

明日(月曜日)に練馬の関町病院で、患者のみなさまへのチャリティーリサイタルを行うのだ。

バラさんと吉祥寺で待ち合わせをして、そのまま同病院へ。

昨クリスマス・リサイタル時のリハ同様に、地下の手術室で2時間半、みっちりとアレンジを練る。

私はYairiのスチール弦のアコギ。バラさんもYairiのナイロン弦アコギ。

私の「春の幸」、童謡の「春の小川」、「花」、「桜」その他をまとめる。

「桜」を演奏中、素晴らしい出来事が起きた。

瞬間、その美しい歌声に「えっ?」と思い、バラさんを見たが、演奏に集中しており気付いていない。

病院を後にした際、「そのこと」を聞いてみた。

「知らなかった。なんで教えてくれなかったの?」

「なんかあの場においては言ってはいけない感がしたので...」

バラさんは、プロのミュージシャン件関町病院の看護部長。

70年代は森山良子さんのバンドのギタリストを務め、また今は無き新宿ピットインでバンドを率いていた。


リハ後のミーティングで、「春の幸」の深層の真相(?)を見抜かれた。

絶句。

バラさんは昨年私の楽曲を録音して、やはり「今にも壊れそうだね」と読み取られた方だ。

さすがは臨床介護看護・音楽療法のプロ。

明日の開演は午後1時。

朝にも今一度リハを行う。

帰路、京王井の頭線において、アメリカ人の青年がマンガ単行本を読んでいて爆笑し始めた(日本原語版)。

そばにいた女の子(青年と関係はない)が、「そんなに面白いの?」と聞いたところ、

青年は、「コノ、ヒョウジョウ、サイコウデショ?」と顔をクシャクシャにして爆笑を続けた。

その様子に、車内の全員の笑いを誘った。

私もその和やかな状況に誘われ笑った。

しかし、青年の屈託のない純な顔と周囲の笑いを見ているうちに、涙がこみ上げてきた。

席を立ち、車外に顔を向けて泣いた。


日曜の夜の郊外が流れている。


コータ姐の涙と笑いのトランスジェンダー道