パターンメーキングで人体の構造と動きに合った美しい服を作るには、人体の解剖学的な知識が不可欠です。
スカート原型を例にとって、以下に考察してみます。
スカート原型の後ろ中心線上にウエストライン(WL)から下に腰丈の寸法をとり、そこから水平線を引くと、ヒップライン(HL)になります。
このヒップライン上には、骨盤の重要な部位が集まっています。
ヒップラインと後ろ中心線の交点は尾骨、脇線の交点は股関節、前中心線との交点は恥骨結合部があります。
曲線の腸骨稜(股関節骨)は腰骨にあたり、骨盤の一番高いところで腸骨の縁が上向きに弧を描いている縁の部分です。骨盤の特徴的な丸みを作るところでもあります。
腸骨稜を基準にして、上側が腰で下側が骨盤になります。
因みにローウエストのローライズでは、腸骨稜辺りから前下げで着装するところになりますね。
この腸骨稜は、下肢帯の美しいカーブを描いていることから、スカートやパンツなどのパターンメーキングでデザイン線や切り替え線によく利用されています。
スカート原型でウエストラインからダーツを入れる場合、ダーツ先をヒップライン上まで引くことは出来ません。
何故なら、ヒップライン線上にある股関節の位置までダーツ先にすると、股関節の運動を妨げてしまうからです。
下肢は股関節から動くので、その運動量が股関節から下には必要となります。
なので、ダーツ先を股関節の上、すなわち腸骨稜まで止めた着装パターンにすれば、動きやすいスカートになります。
ウエストラインからミドルヒップライン(MHL)までの間は、足を支える下肢帯そのものの形で不変であるため、運動を妨げることをしない領域になります。
スカート原型のパターンメーキングを行う際、骨盤の位置や腸骨稜の曲線を意識していれば、機能的なスカートの着装パターンにつながるというものです。
三毛猫なのにゃ
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