洋服で最も着心地を左右するひとつに、衿ぐりがあります。

 

例えば着ているときに、自然に衿が後ろに抜けて前裾が引き上げられる「抜き衣紋」状態になるとか、斜めじわが出るなどのトラブルがあります。

 

特に肩山のネックポイントで前後の衿巾寸法のバランスが崩れると、たるんだり、シワのでる原因になります。また僧帽筋の発達などで肩傾斜に強く影響し、トラブルも衿ぐり周辺に集中することから、衿のパターンにも直接関係してきます。

 

横衿ぐりで、ボートネックやVネックなどは浮いてしまうので、余り分をBP方向に向けてダーツを取り、胸ぐせダーツの中に処理してしまうとか、見返しのみ、余り分をパターン処理することがあります。

 

衿の構造は、身頃と同様、前面、脇面、後面から構成されているため、ネックポイントが衿のデザイン性を決定づける後ろ頸と脇面の接点になるため、衿の構造線の基点になります。

 

後ろの背肩面は肉付きが多く、前面の頸周辺はやせて扁平であるため、原型上では後ろ衿ぐり巾は、前衿ぐり巾より分量が多くなるのは当然なことですが、衿ぐり巾の設定の仕方は胸度式のバスト寸法で大雑把に割り出しているため、合う体型、合わない体型が出てきます。

 

着心地を決定づける衿ぐり寸法は、メジャーでも物差しでも正確に計測することが難しいですね。

 

前頸巾と頸丈あるいは後ろ頸巾と頸丈を正確に採寸するのに、便利な計測器があります。

 

それは、ネックゲージ(東京立体裁断研究所製)です。

 

 

 

これを使うと、簡単に前頸巾と後ろ頸巾が採寸できるため、正確な衿ぐり寸法で製図が描けますよ。

 

 めぐのおてては、器用にゃー

 

 

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パターンメーキングで使う「三種の神器」と云ってもその人その人でまちまちですが、本当に便利だと思うものは、縮尺原型と縮尺定規 、トレーシングペーパー(トレペ)の三種。

 

この三種の神器は、製図を描く際に大活躍しますね。

 

 

 

縮尺原型は1/4縮尺の文化式原型(成人女子用)で、大きなスペースを必要とする原寸図の代わりに、省スペースで使えます。

 

原寸サイズの製図をする要領で、細かな計算をせず簡単に原型の縮尺図が描ける便利なもので、縮尺定規1/4と一緒に使います。

 

原型をどう操作するか、あるいは基本の各種デザイン、シルエットの作図を練習にもなるし、ダーツ移動やパターン展開にも活用できます。

 

それ以上に大活躍するのが、トレペ。

 

縁の下の力持ちといったところで、トレペは平面作図に欠かせない神器。

プロのパタンナーさんもよく使い回していますね。

 

でも実際の使い方を正しく理解しないと、ただの持ち腐れになってしまいます。

 

例えば、ダーツの製図を引くときにダーツを畳んでルレットで印付けしたり、ダーツ展開などハサミとメンディングテープで切り貼りしなくても、紙面を汚さず正確にトレースできます。また前後身頃のAH(アームホール)線や衿ぐり線のつながり補正などにも活用します。

 

実際のやり方は少し複雑な操作が必要なので、正しい使い方をマスターするにはプロのパタンナーさんに教えていただいた方がいいですね。

 

他の活用法として、トレペを使ったグレーディングがあります。

 

マスターパターンを大きくしたり、小さくしたりする作業を「グレーディング」と云いますが、グレーディング操作が理解できると、体型上の補正、パターン修正、デザイン変更などに活用できます。

 

グレーディングの方法には、切開線方式とピッチ方式があります。

 

マスターパターン上に移動量(ピッチ)を切り開く方法で、切開線はグレーディング位置を示す線で、各切開線を切り開いてグレーディングします。

 

マスターパターンの上にトレペを載せて、切開線で切り開いた状態にして写し取る方法で使います。縦の切開線は幅のグレーディングをする線で、横の切開線は丈のグレーディングする線になります。

 

ピッチ方式は、各部位にグレーディングピッチを設定して、マスターパターンもしくは用紙(トレペなど)を移動させながら写していく方法です。

 

パンツを例に、切開線方式でグレーディングしました。

 

 

パンツは膝下が地の目線(プレスライン)で左右対称になることが基本なので、地の目線を基準にして上下・左右にグレーディングします。ウエストダーツの分量と長さは変化させません。

 

トレペがないと、緻密な精度に仕上げることはできませんね。

 

 

めぐちゃんは これでデンタルケアするにゃ

 

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メンズ服とレディース服をパターンで見るとその差は胸ぐせダーツ以外にないため、メンズ服の製図は大変参考になります。

 

製図がわかっていれば服を作る上で大きな力が身につきますし、 CADを使うにしても製図が描ければ、CADでうまくいかないところの修正が簡単に出来ます。

 

洋服を仕立てる上で根幹となる採寸法は、短寸式と胸度式に分かれます。

 

胸度式はバストを基準に、その比例寸法によって各点を割り出していく製図方法で、バランスを重視する標準シルエットの服が仕立てられまれます。また採寸法や製図法が容易なため、現代の裁断法では胸度式が主流となっています。

 

でも胸寸式は採寸箇所が少ないため、どうしても直しが多くなります。

 

一方、短寸式は胸度式のようにバストを基準とせず、体型の特徴を30ヵ所以上も細かく採寸するので直しが少なく、フィット感が得られます。主に肩回りの寸法を細かく測り、その寸法によって肩周辺の特徴が把握できます。

 

しかし採寸の仕方が難しく1センチ前後の誤差などざらにあり、あくまでも参考寸法として把握することが多いため、技術的に難しい短寸式はあまり用いられていません。

 

胸度式でも短寸式でも一長一短があります。

 

あるテーラーさんの言葉を借りると、「短寸式に囚われると歪んだ体型に歪んだ服を着せようとすることであり、胸度式を固執するは、歪んだ体型にもまっすぐな服を着せようとすること」だと述べています。

 

そのため、胸寸式と短寸式の両方を併用して胸度式製図に短寸式の寸法を取り入れる方がうまくいくと言われております。肩回りなど複雑なところや特殊な体型などは短寸式で採寸して胸度式製図に反映させる手法です。

 

皇室御用達のビスポーク・テイラーとして著名な服部晋さんは、短寸式の斜辺裁断法を自ら考案して、複雑な肩回りをより正確に採寸する方法を編み出しました。この斜辺裁断法を利用すると体型の特徴が簡単に把握できるからです。

 

例えば、肩甲骨の膨らみを正確に計ることが出来ますし、僧帽筋から肩先にかかる角度を表す「肩傾斜」や僧帽筋から背中にかかる立体感、左右の肩の高さが違っていれば、背骨が曲がっていることも分かります。

 

 

①~②:BNPからカマ深、

②~③:カマ深から脇、

③~④:脇から肩先、

③~①:脇からBNP(内側斜辺)、

②~④:カマ深から肩先(外側斜辺)

 

上記の各点を計ると、2つの三角形が描けます。この三角形の形を見るだけで、その肩回りの体型を掴むことができるのです。

 

例として肩甲骨の膨らんでいる人は、①~③、②~④の寸法が長く、①~④の間隔が広くなります。イカリ肩の人は、③~④が長くなるか①~②が短くなります。内側斜辺①~③を計ることで首の位置が前か後ろかが分かりますし、外側斜辺④~②を計ることによってどれくらい前肩であるかが分かるのです。

 

この斜辺裁断法は、「三角形は形が変わらない」と言う定理に基づいております。すなわち四角形に組まれたものは変形するけれど、三角形に組まれたものは変形しないことを利用しています。

 

余談ですが、三角形は多角形の基本になっており、すべての多角形は三角形に分解できます。このことを利用して有限要素法と呼ばれるコンピュータ・シミュレーションで、橋やダム、建物などを小さな三角形の部材に切り分け、計算することが一般的に行われております。

 

ちなみにレディース服でも、欧米で斜辺を利用した採寸法がよく利用されています。 ショルダーポイントから後ろ中心とウエストラインとの交点まで、あるいはショルダーポイントからBPを通って前中心とウエストラインの交点まで採寸することで、体型の立体感が把握できます。

 

三角形を利用した斜辺裁断法はかなり応用できそうですね。

 

今日のめぐにゃー♪

 

 

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布目とは、布地の織り糸のことですね。
 

この布目線がパターン作りの基礎になっており、布目線が正しくないとパターンで作ったシルエットが崩れやすくなります。

そのため、縫う前に地直しを行ってタテ糸、ヨコ糸の方向に地の目が通るようにしっかりとやりますね。

 

地直しの前に、生地の耳を切り落とすか、ハサミで耳の部分を斜めにチョンチョンと切り込みを入れると、地直しの作業が楽になります。耳の部分を処理してから地直しすると、歪みが生地の外に逃げるからです。

服を着用すると重力がかかります。糸の一本一本にも重力がかかるので、タテ糸はまっすぐ垂直になるため、伸びにくいタテ地の目を重力がかかる方向に通すことで服が「型くずれ」しにくくなります。

でもパターンメーキングになると、布目はどのパターンピースでも直上線になるとは限りません。デザインのシルエットラインによって変わるからです。


ストレートのデザインであれば直上しますが、シルエットによって布目線が通るところは中心部だけで、ピースの端は体型に沿ってカーブしたりしてデザインや体型、シルエットによって変わります。

バストラインは正面では真っ直ぐに通りますが、人体は立体であるため、脇面では下がります。デザインによってズレたり、傾いたりもします。背からウエストにかけて細くなっており、シルエットによって当然変化します。

 

例えばパネルラインやジャケットなど脇面が中央部と分割している場合、シルエットが崩れやすいため、脇面の布目線を予め変更してシルエットを崩れにくくします。



 

布目線は体型の凸凹が強いほど曲線になります。体型に沿ったシェープドラインのデザインほど曲線がつよくなるため、布目線も美しいラインで対応しなければなりません。体型は多面的な立体であるが故、布目線は、ひとつのパターン内で一カ所だけ通ります。

 

また体型から離れる布地ほど、正しい布目線が要求されます。

例えばフレアースカートの場合、前と後ろの中心に布目を通すと、脇の方にフレアーが偏ります。それは脇になるほどバイアス地になり、裾のフレア量を支える力が不足して垂れ下がるため、布目位置を移動させて垂れを防ぐことが必要になります。

デザインに合わせた布目線を求めることが大切なポイントになります。言い換えると、布目線はシルエットを求めるために大切な存在でもあります。

 

作る服はボックスデザインだけとは限りません。バストに平行に通した布目線は、ウエストでぷかぷかになります。シェープドラインには通用しません。

 

従って、布目線は垂直や水平に求めることが目的ではなく、全体的にシルエットライン形成の土台であり、デザインを良くするための補佐的な存在です。

 

「布目ありき」ではありません。布目のための布目じゃ意味がありません。

布目線は、デザインの補佐役であっても主役ではないのです。

 

めぐちゃんは、主役がいいにゃ♪

 

 

 

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工業用ミシンと家庭用ミシンって、何が大きく違うかご存知ですか。

 

パワーのある工業用ミシンや職業用ミシンは綺麗に縫えるとか言いますが、綺麗に縫えるかどうかにパワーは全く関係ありません。

 

“釜“と呼ばれる部分が大きく違うからです。”釜“はミシンの心臓部。

上糸のループに下糸を通すのに、“釜”と呼ばれる部品を使います。

 

 “釜”が真上に向いているのが水平釜で、 “釜”が真横に向いているのが垂直釜。

 

垂直に取り付ける釜はボビンを入れただけでは落ちてしますので、ボビンケースを利用してボビンを中釜に格納します。

 

釜には剣先と呼ばれる部分があり、この剣先が上糸のループの中に入ります。

剣先はだんだん太くなってループの輪がどんどん大きくしてループの中を下糸が通ります。

 

家庭用の釜と工業用・職業用の釜で、どう違うのかと言うと、

 

<家庭用の場合>

オールマイティーに縫えるので、水平釜式とよばれるボビンケースが要らない構造のものが主流。ジグザグに縫わなければいけない家庭用ミシンは、布の進行方向に対して垂直に“釜”が回転します。

 

メリット:下糸の調整も要らないし、下糸が絡みにくいのも特徴。ボビンケースが要らないので下糸のセッティングが簡単で下糸の残量が見やすい。

 

デメリット:下糸調子をきっちりと合わせられない(下糸調子の調整はボビンケースで行うから)。下糸を横から引っ張り上げる形になるので、垂直釜に比べて糸締まりがイマイチで縫い目が少しだけゆがむ。

 

<工業用、職業用の場合>

針が横に振らない直線専用機に特化しており、縫い上がりが綺麗(ボビンケースで下糸の調子を合わせるため)。

 

工業用、職業用ミシンは直線しか縫いませんから、布の進行方向と平行に釜も同じ向きに回転します。

 

釜は垂直釜で、下糸のボビンをケースに入れて使用します。ボビンケースで簡単に下糸の調節ができます。垂直釜には中釜がボビンケースの周りを同じ方向に回る全回転式と左右交互に回転する半回転式があります。

 

半回転式よりも全回転式の方が、縫い目が綺麗に仕上がります。ボビンケースに突起があるのが半回転式釜、突起がないのが全回転式釜。

 

半回転式は中釜がボビンケースの周りを回転してまた元にもどる構造なので、 元へ戻る反動で力が加わるので割合厚いものを縫うのに適している。 使用する糸が弱いものでも縫い目が非常によい具合に締まるため、従来は家庭用として一般に使われていました。

 

垂直釜は下糸ボビンが縦にセットされるので、上下糸で締めて縫い目を作る事を考えると原理的に自然で、特に半回転釜の糸締まりがいいと言われています。半回転釜は釜の分解や組み立てが簡単で、手入れがしやすいのが特徴。

 

全回転釜は一定方向に全回転するので、回転も滑らかなので音も低く、糸絡みが少なくて高速度回転が可能です。全回転釜は音・振動が半回転釜より静かであるが、 どちらが良いとは一概にいえず、それぞれに一長一短がある。

 

<釜に傷を付けないこと>

釜に傷があると糸調子が乱れたり、布の裏でタオル地のような輪っかができたり、糸が絡まったり…と縫えない状態になってしまいます。

釜に僅かな傷や目に見えない程の細かい傷が付いていても縫い目に影響が出る場合があります。

 

釜等に傷がつかないようにするには、針が曲がらないように気をつける必要があります。

 

針をちゃんと奥まで差し込みます。そうでないと針が曲がってしまいます。

細い針で厚い生地を縫うと折れやすくなります。

 

家庭にある太いドライバーで強く締め付けると、針の止めネジがすり減ってへこむため、押えが弱くなって針が曲がります。ミシン付属のドライバーを使用した方がいいです。締めすぎず、緩すぎずです。

 

ボビンケースを格納する中釜にたくさん糸グズやホコリがあると、上糸がホコリを引っかけてホコリと一緒に布を縫ってしまいますし、糸グズがあると上糸が引っかかって縫えなくなります。

 

<釜の掃除>

ミシンは、使い終わった時に手入れしないといけません。

特に釜内部や周辺、送り歯の掃除は大切です。あまりに使いっぱなしにすると故障します。ホコリや糸クズがついたまま使うとモーターに負荷がかかったり、故障の原因にもなるので定期的に掃除する必要があります。

 

大きいホコリはキッチンペーパーで取り除き、付属品のミシンブラシやエアースプレーを使って細かいホコリを取り除きます。ミシンブラシでは手に負えないほどのホコリがある場合は掃除機で取り除きます。

 

釜の溝のホコリが取れにくい時は爪楊枝で釜に傷をつけないようにして取り除きます。

 

特に自動糸切り装置が付いているミシンは、掃除が必要です。装置の歯車の溝にホコリが溜まると、歯車が回らなくなってしまいます。

 

<釜の注油>

掃除した後は、釜の注油です。毎日使うのであれば、週1回の頻度が望ましいです。

注油しないで使用を続けると、縫い目に異常が出たり、異音が出たり、釜が動かなくなったりします。

 

ボビンケースを外した状態で、1~2滴ミシン油を釜のレール部に注油し、はずみ車を手で回して油が釜にいきわたるようにします。注油後は糸や生地に油が付くことがありますので、捨て布で油が付かなくなるまで縫って下さい。

 

ミシン油が基板などの電気系の部品に付着すると、動作不良が発生する可能性があります。

 

 注油は、ミシン専用の油で行い、スプレータイプの「クレ556」を注油しないでください(不具合が出ることがあります)。

 

<ミシンを長持ちさせるには>

・プーリーは、手前に廻す。

逆方向に廻すのはタブー。釜が逆回転してしまいます。

 

・天秤が最上点まで上がるまで布は抜かない。最上点で糸が釜から抜けきった瞬間です。プーリーを手前に廻して、これ以上廻すと針が下がってしまう手前の位置です。

 

天秤が上がり切って一つの縫い目が完成します。その前に押えを上げて布を動かすと、釜の中に上糸が残っているので、トラブルのもとになります。

 

針だけ見て上げている人は、この天秤が下になっています。

 

・布は後ろに引っ張って取る。手前に引くと針が曲がりやすくなります。

 

 

以上の最小限度の注意でミシンの不調は避けられます。

 

めぐちゃんの釜はこれ!お掃除しなきゃにゃー

 

 

 

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