TRON(トロン)は、坂村健氏が東京大学の講師時代の1984年(昭和59年)に初めて提唱したリアルタイムOS(オペレーティング・システム)です。
当初は、統一された操作性を持つ、パソコン「BTRON」の開発を目指していました。BTRONは、当時の文部省と通産省が強力に支援し、全国の中学校のパソコンソフトとして指定される動きが有りました。
ところが、こうした動きを察知したアメリカの通商代表部は、悪名高い「スーパー301条」によって、BTRONを日米間の貿易障壁に指定し、BTRONの動きを封鎖しました。結果として、それが、現在のマイクロソフトのOS、「ウィンドウズ」を世界標準として、その地位を不動のものとしました。
しかし、このTRONは、設計情報(ソースコード)を公開し、その改変も認めるオープンソースOSで有るため、再び注目を集めるように成っています。TRONは、組み込み型のOSとして、情報家電に組み込まれたり、同じオープンソースOSである、Linux と融合するなど、再び注目を浴びるように成って来たようです。