映画「マルチュク青春通り」
- ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- マルチュク青春通り クォン・サンウ スペシャルBOX
- ソニー・ピクチャーズエンタテインメントマルチュク青春通り
- クォン・サンウ主演の青春映画。暴力が吹き荒れる男子高校を舞台に、行き場のない青春のエネルギーと甘酸っぱい初恋の香りを見事に描く。監督はユ・ハ(詩人でもあるそうです)。
- 映画は、クォン・サンウたちの学園生活から当時の軍事政権下の韓国をイメージするように作られている。
- ときは軍事政権下(1970年代)の韓国。ブルース・リーに憧れる普通の学生、クォン・サンウ(ヒョンス役)は、親の都合でソウルの新興住宅地である江南(カンナム)に引っ越してきた。そして「マルチュク通り」というストリートにある男子校に転入したのはいいが、そこはガラの悪い学生たちが集まっていた。
- ちなみに現在の江南(カンナム)は、ソウルの高級住宅街です(当時はただの野原だったでしょうが)。
ひょんなことから、学校の番長的なイ・ジョンジン(ウシク役)とウマが合い友達となるが、学生同士にも序列(弱いものが強いものに従う)があり、教師も軍隊式体罰を普通としている。そんな学校に嫌気をしていたクォン・サンウは、酒やタバコ、ケンカにナンパと無為な日々を費やすようになる。
だが、高校生活でクォン・サンウが、心ときめかす人があった。通学時、バスの中で見かける女子高校生のハン・ガイン(ウンジュ役)だ。
(ハン・ガイン、清楚でとてもかわいいです! 日本人受けする女優でしょうね)。
しかし友達のイ・ジョンジェがハン・ガインにアッタクし、付き合っていると聞いたクォン・サンウは、自分の思いを閉じ込めてしまう。
クォン・サンウができたことは、雨の日、ハン・ガインに傘を差し出したこと。彼女がよく聞いているラジオ番組に、彼女の好きな曲をリクエストしたこと。そして一緒にデートもしたが、繊細になっていたクォン・サンウの切ない恋心は、結局ハン・ガインの気持ちをつかむことができなかった。
ある日、イ・ジョンジンが学校で敵対していた風紀委員のジョンフンに敗れ、学校を去るという事態が起こる。 クォン・サンウはヌンチャクを隠し持って学校に行き、風紀委員ジョンフンに挑むが……。
映画の最後で、印象的なシーンが二つ。
一つはテコンドの師範をしている暴力的なクォン・サンウの父親が、事件を起こしたクォン・サンウに暴力を使わなかったこと。これは韓国社会の新しい時代の到来(軍事政権から民主政権へ)を暗示していたように感じた。
そして、もう一つは久しぶりにバスの中で出会ったハン・ガインとクォン・サンウのシーン。2人の熱を失った会話は、すでに恋愛を過去のものにしていた。
タイミングを逸したほろ苦い思いは、青春の思い出の1ページへと……
ソニー・ピクチャーズエンタテインメントマルチュク青春通り(UMD Video)
- サントラ, モーリス・アルバート, ソ・クモク, チン・チュンハ
- マルチュク青春通り オリジナル・サウンドトラック
- 石田 享, ユ ハマルチュク青春通り