ウリハッキョとは何ですか? | ある在日コリアンの位牌

ウリハッキョとは何ですか?

 韓国・朝鮮人は、ウリ(私たち、我々)という言葉をよく使います。ハッキョとは学校のことで、ウリハッキョというのは「私たちの学校」という意味です。
 日本では、自分の通う学校を「私の学校では……」と使いますが、韓国・朝鮮語では「私たちの学校(ウリハッキョ)では……」と表記します。
 この表現の違いから、日本と韓国・朝鮮の文化の違いを感じ取る人もいるかもしれません。「私たち」という言葉には、私だけが通っているのではなく、他にも学生はたくさんいるのですから「私たち」となり、ある種の一体感があるのかも知れません。

 ところで、私は昨年から、在日コリアンや日本人市民グループの集会や勉強会、また講演会などに行くようになり、そこで、少なくない朝鮮総連系同胞と出会うようになりました。
 あるときは「民族学校」がテーマとなりました。一般的に広義の意味で「民族学校」には、朝鮮学校・韓国学校・華人学校・ドイツ学校、その他の民族学校などが含まれると思います。
 私が、参加した勉強会は、在日コリアンをテーマにしたものだったので、そこで言われる民族学校とは、朝鮮学校や韓国学校であるはずなのです。
 しかし、朝鮮総連系同胞が「ウリハッキョ」と指すのは、すべて朝鮮学校だけのことでした。ウリハッキョ=朝鮮学校としてしか概念がないのです。私が今まで会った、朝鮮総連系同胞は、すべてそうでした。
 私には、韓国系学校で教員をしている後輩がいるので、韓国系学校でも、自分たちの学校をウリハッキョと使っていることを知っています。
 朝鮮総連系同胞は、そのことを知っているのでしょうか。
 本来、民族的にはウリハッキョというのは、朝鮮学校と韓国学校を指す言葉なのです。
 しかし、朝鮮総連系同胞は、ウリハッキョ=朝鮮学校としか表現しないので、日本人にウリハッキョ=朝鮮学校なんだと大きな誤解を与えています。
 朝鮮総連系同胞が、自分たちの中でウリハッキョを使用するのは、何ら問題のないことですが、対外的に使用する場合、ウリハッキョではなく、明瞭に朝鮮学校というのが適切です。
 
 朝鮮総連系同胞は、民族の団結とか、統一とかを声高にいう人が多いわりには、ウリという統一的な言葉さえも、自分たち(朝鮮総連系同胞)だけの言葉としてしか使っていない。そう思うと私は、朝鮮総連系同胞が使用する「ウリ」という言葉に、南北分断の現実を余計、感じるのです。
 
 朝鮮総連系同胞は、どのように感じますか。

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