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空港を舞台にした国際色豊かなコメディタッチのラブ・ロマンス。
ドイツ映画らしからぬ多国籍感覚の作品です。
舞台はフランクフルト空港。
主人公のアレクセイはロシア人。元軍人で上官を殴ってしまい拘留されたものの脱獄し、密入国者として空港の収容所に拘留されていましたが、そこでも脱獄。空港の地下に逃げ、空港のエンジニアであるクロアチア人の男ダックに助けられます。
このダックが密入国者を手引きする親玉でした。
地下には、アレクセイと同じ密入国者が隠れていました。
空港から部品を盗んでは、隠れて製作している自家用機の部品し、母国へ帰ろうとするモンゴル人のムキ。
アレクセイと組んでドイツ国内に潜入しようと策を練るナイジェリア人のアマドゥとヴォリンカ。
策に乗ったアレクセイでしたが、実行を明日に控えた日に、しばらく空港にいることを決意するのです。
なぜなら、1人の女性に恋してしまったから・・・。
インド人の女性ニーシャは空港の住み込み掃除婦として働いていましたが、客室乗務員になることを夢見ていました。掃除中、航空会社の制服を盗んでは、夜な夜な飛行機に潜り込み制服に着替えて「客室乗務員ごっこ」をしています。
実は、アレクセイもパイロットになる夢がありました。
そんな2人がたまたま潜り込んだ飛行機で運命的な出会いをするのですが・・・。
ぜんぜんドイツ映画っぽくないところが面白いですね。どちらかというとインド映画っぽいかもしれません。
ニーシャがインド映画ばりに歌い踊りだしますから(^_^;
でも、バックダンサーがドイツ人だから滑稽に見えます・・・そこが笑えたりするのですけどね。
アレクセイも負けじとロシア民謡で対抗したり・・・。
ドイツ人の主要キャストとしては、空港の管理職であるノヴァク役のウド・キアくらいでしょうか。ノヴァクは空港で働いている人の中では有名な「エロおやじ」で、女性職員を口説いては、空港のあらゆる場所でxxxするという趣味の持ち主(^_^;
残るは部長のオフィスだけというもっぱらの噂・・・すごい噂だなぁ(^_^;
そして、ノヴァクが目を付けたのが、客室乗務員になりたがっているニーシャでした。
アレクセイ、ニーシャ、ノヴァクのドタバタ劇かなぁと思いきや、後半になると事態は急変。
ニーシャにはある理由でインドに置いてきた3歳の息子アシスがいたのです。アシスに会いたいニーシャでしたが、お金がありません。アレクセイはダックにアシスを密入国させてくれと頼みますが・・・。
何も言わず苦労を背負い込む・・・アレクセイは「男」だなぁ。
アレクセイ役のヴァレリー・ニコライエフとニーシャ役のマースミー・マーヒジャー。本人たちもロシア人とインド人ですが、意外とお似合いのカップルでした。
ダック役にはミキ・マノイロヴィッチ。エミール・クストリッツァ監督作品の常連ですね。この作品の雰囲気がエミール・クストリッツァ監督作品と似ているので、何の違和感もありません。脚本が「黒猫・白猫」のゴルダン・ミヒッチだったのも1つの要因かもしれませんね。
監督はファイト・ヘルマー。ドイツ人の監督です。これからが楽しみな監督ですね。
他にも、ニーシャを心配する同僚のモルダビア人の掃除婦。空港ロビーで爆睡しているイギリス人と、いったい何ヶ国の人々が登場しているのか判りません。日本人もちょっとだけですが登場します。
そして、忘れてはいけない最重要人物。収容所でアレクセイと共に拘留されていた謎のアフリカ人トーゴ。彼はいったい何者?って感じです(^_^;
クライマックスは、トーゴを含め、さまざまな伏線が1つに繋がるのですが・・・まぁチープですね(^_^;
でも、そのチープさが・・・この作品にはピッタリかも。
奇妙奇天烈なストーリー。
多国籍な登場人物が入り乱れ、チープさが面白さへと化学変化する今まで観たことがないドイツ映画でした。
Title:
GATE TO HEAVEN
Country:
Germany (2003)
Cast:
(Alexej)VALERI NIKOLAYEV
(Nisha)MASUMI MAKHIJA
(Dak)MIKI MANOJLOVIC
(Joachim Nowak)UDO KIER
(Togo)SOTIGUI KOUYATÉ
(Muki)BURT KWOUK
(Amadou)ANTHONY OKUNGBOWA
(Volinka)MICHAEL CHINYAMURINDI
(Basala)VERONIKA NOWAG-JONES
(Denise)ADRIANA ALTARAS
(Asis)AMAN BHUSHAN
Director:
VEIT HELMER
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