今年の3月に

『ES細胞の最前線』(クリストファー・T・スコット著)を読んで以来

ニュースなどでも騒がれていた”万能細胞”というヤツに

興味津津なのでございます。


一昨日 ちょっと時間をつぶす必要ができて

フラリ・・と立ち寄った書店の雑誌の棚に『Newton』を発見。

見出しをみて 思わず購入してしまいました。


『ES細胞の最前線』を読みながら 一生懸命メモった内容が

色鮮やかなイラストで説明されていて すっごく分かり易い。

おぉ~~~ なるほど~~~音譜ニコニコ



そして iPS細胞の記事のすぐあとに

『がん細胞 とはどんな細胞か?』 という特集。

万能細胞と関連付けた癌細胞の発生メカニズムの解説と

細胞の研究から導き出されうる 癌治療法について。


面白いと思ったのは、《リプログラミング》という手法。


癌の90%は上皮組織にできるのだそうな。

そこにじっとしててくれたらよいのだけれど

実際は まわりの組織に入り込んじゃったり《浸潤》

血液に乗って全身の組織に散らばって行ったりするそうな。


あら コレッてわたしのことじゃないですか。

わたくしめは 浸潤性乳癌&静脈に転移ありで

現在 微小転移を全身治療しております。


上皮組織にくっついていた癌細胞が

勝手気ままに動けるタイプの細胞《間葉系細胞》という

別のタイプの細胞に変化しちゃった状態が進行癌であると。

・・・・ナルホド ナルホド・・・


それならば

人為的に細胞の性質を変える《リプログラミング》技術を使って

《間葉系細胞》になっちゃった癌細胞を《上皮細胞》へ戻してしまおう!

という研究が始まっているとのことです。


それすなわち 転移をおさえてしまうこと。


コレって すごいことですよ!!目



わたしは左胸全部取っちゃったんですけど

それでも やっぱり再発(転移)のことを考えてしまいます。

だから ”今”を大切にって思うようになって

それはそれで 大切なことを教えてもらったと感謝してますけれど

やっぱりね・・・・

再発を心配せずに暮らせたらいいなぁ、と思ってしまいますよねぇ・・・





京都大学の山中教授の画期的な研究成果は

素人の私たちでもその凄さがヒシヒシと伝わる内容でした。

東京大学、慶応義塾大学、理化学研究所、東北大学などなどなど

たくさんの大学や研究機関が それぞれのテーマで

iPS細胞の実用化を目指して走り始めている由。

アメリカでも たくさんの大学で研究が進められている由。


でも実際にiPS細胞として初期化できる細胞 現時点では

1000個ためして1個が得られる・・・0.1% なんだって。



圧倒的に失敗することが多いという現実のなかで

あきらめず コツコツと

ミクロの世界を探求し続けている世界中の研究者さんたちには

ほんっとに頭がさがります。


山中教授のインタビューも載ってますが

「患者さんを救うことが最優先」と言い切る姿勢にも感服しました。

こういうお医者さんがいてくだされば

患者は未来の夢を語れると思いました。