No11


①科学捜査研究所

 都道府県の警察に配備されている付属機関で、科学捜査の研究および実施を行う機関。犯罪現場の残された物的証拠は、事件・事故の真相を解明し犯人の逮捕を行う為の大きな手掛かりになるばかりでなく、訴訟手続上重要な証拠にもなるため、犯罪捜査の上で重要な役目を担う部署である。


②溢血点

「溢血点」とは小さな点状の出血をいう。溢血点は窒息死の死体所見の一つで、眼瞼結膜、眼球結膜の溢血点は絞死、扼死でほとんど全例に見られる。縊死で見られることは、少ないのである。


③カスペルの法則

腐敗の進行は、特に季節によって異なり、夏を1日とすれば、春や秋は2ないし3日、冬は4ないし5日といわれている。死体が置かれている場所によっても異なり、普通の地上での腐敗状態を1とした場合、水中では、その2倍、土中では、その8倍の時間を要するとされている。これをカスペルの法則という。


④刺切創

刺した時の創と抜いた時の創が残って、刺創と切創の双方の形状の創傷が
見受けられることがあり、これを刺切創と言います


⑤司法解剖を必要とする死体

被害者を故意に殺害したのではないか、つまり、殺人罪あるいは、かつての尊属殺人罪の嫌疑のある死体とか、傷害致死罪や尊属傷害致死罪のように致死の結果が生じている結果的加重犯の嫌擬があるような死体の場合である。


No13


①法医学の定義

法医学の定義については、今まで色々と論ぜられてきたが、もっとも妥当とされているのは、「・・・法律上の問題となる医学的事項を考究し、これに解決を与える医学である」とする定義である。


②変死者

異状死体の一部で、医師によって明確に病死や自然死であると判断されず、かつ、死亡が犯罪によるものであるという疑いのある死体のこと。つまり、死亡が犯罪に起因するものでないことが明らかであるとは言えない死体のことである。


③生活反応

法医学では最も基本的かつ重要な要素となる。呼吸、皮下出血、炎症、化膿などが挙げられる。これらの生活反応は死体には決して発生しないため犯罪捜査において事故又は自殺か他殺かを見極める上でも非常に重要である。


④監察医制度

監察医制度とは、死体解剖保存法に基づいて、伝染病や災害、死因不明の死体について、死因解明のために都道府県知事が監察医を置き、検案、解剖をさせることのできる制度でである。


⑤母体保護法における人工妊娠中絶の概念

人工妊娠中絶とは、胎児が母体外で生命を保続出来ない時期に、人工的に胎児、およびその付属物を母体外に排出する場合、または母体内において胎児を消滅させる場合を言う。(多胎減数手術に適応)



No15


①現場保存と写真鑑識

「現場保存」とは、原因が明らかでない死亡の場合、犯罪行為による場合があり捜査のため必要となりますので、そのままの状態にしておくことを言う。「写真鑑識」とは、検証活動のさいに重要部分をしめる写真撮影による鑑識活動である。


②鑑識と捜査の定義

「鑑識」とは、科学的知識・技術を応用し、または組織的資料・施設を活用して、犯人を発見し、あるいは犯罪を証明する捜査機関の活動をいう。「捜査」とは、犯罪の嫌疑がある場合に、公訴の提起・追行のために犯人を保全し、証拠を収集・保全する行為をいう


③死体現象

「死体現象」とは、「死斑(しはん)」とか「死後硬直(しごこうちょく)」あるいは「腐敗」とか「昆虫による損傷」といった様々な変化が現れた死体の変化ないし現象をいう。


④死斑(しはん)

血液を放置すると血球は自己の重量によって沈降するが、死体内では血管内を移動し下位の部分に就下してくる。この血液の色が皮膚を通して観察できる場合、これを死斑という。興奮時に顔面が紅潮するのと似ているが、死斑はかならず下位の部分に現れる。


⑤微細泡沫粘液

死体の外部所見、顔面にみられる。鼻や口から白色の微細泡沫粘液(びさいほうまつねんえき)が隘出しており、鼻腔内にも口腔内にも、かかる泡沫粘液が充満している。これは、肺胞内に入った溺水が空気や粘液とまじりあって発生し、気管支や気管を通過して、口や鼻にあふれ出てくるのである。



No17


①心筋梗塞

「心筋梗塞」とは、虚血性心疾患のうちの一つで、心臓が栄養としている冠動脈の血流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死してしまった状態。通常は急性に起こる「急性心筋梗塞 (AMI) 」のことを指す。


②刺切創

刺した時の創と抜いた時の創が残って、刺創と切創の双方の形状の創傷が
見受けられることがあり、これを刺切創と言います


③司法解剖を必要とする死体

被害者を故意に殺害したのではないか、つまり、殺人罪あるいは、かつての尊属殺人罪の嫌疑のある死体とか、傷害致死罪や尊属傷害致死罪のように致死の結果が生じている結果的加重犯の嫌擬があるような死体の場合である。


④吉川線

「吉川線」とは、法医学者の吉川博士が発見したもので、首にできたひっかき傷のことである。他殺の場合、首をしめているロープを首からはずそうと必死でロープをつかもうとする時に、首にひっかき傷(=「吉川線」)ができることが多いのである。


⑤母体保護法における人工妊娠中絶の概念

人工妊娠中絶とは、胎児が母体外で生命を保続出来ない時期に、人工的に胎児、およびその付属物を母体外に排出する場合、または母体内において胎児を消滅させる場合を言う。(多胎減数手術に適応)



No19


①内因性急死

内因性急死とは、医師の診断を受けて、あきらかに病死とされたもの以外で、検視や捜査あるいは解剖などによって外因死の可能性が除外された急死あるいは突然死をいう。


②皮下出血

鈍体が皮膚に強くあたると、皮下の毛細血管が損傷され、そこから出血し、皮下の組織に浸潤し、皮膚表面が青黒く見える。これが「皮膚出血」である。皮下出血は、死斑と似ていることがあるが、皮下出血の場合は、検者が指圧を加えると、褪色しないのである。


③溢血点

「溢血点」とは小さな点状の出血をいう。溢血点は窒息死の死体所見の一つで、眼瞼結膜、眼球結膜の溢血点は絞死、扼死でほとんど全例に見られる。縊死で見られることは、少ないのである。


④絞頸の死亡までのプロセス

絞頸の場合、以下の1個または数個の要因が死因となっている。①気道の圧迫・閉塞(一般に、縊頸の場合よりも、圧迫が弱いので、窒息の経過が、縊頸の場合よりも、若干、長い)、②頸部を走る血管(特に動脈)の閉塞、③頸部神経の圧迫。


⑤微細泡沫粘液

死体の外部所見、顔面にみられる。鼻や口から白色の微細泡沫粘液(びさいほうまつねんえき)が隘出しており、鼻腔内にも口腔内にも、かかる泡沫粘液が充満している。これは、肺胞内に入った溺水が空気や粘液とまじりあって発生し、気管支や気管を通過して、口や鼻にあふれ出てくるのである。