”Waging Heavy Peace” その弐 | Music and others

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こんなメモ、何処にあったんでしょうか? もう50年近く前になります。

□ original "Cinnamon Girl"lyrics in 1969

Waging Heavy Peace 07




さて、続編です、キースリ・チャーズの自伝の時の様にシリーズ化するつもりはありませんが、このニール・ヤングの場合も取り上げてみたい内容がいくつかあります。




正確には、『Waging Heavy Peace Deluxe 』(Kindle Edition with Audio/Video)です。 キンドルならでは楽しみ方ができる、様々な未公開の写真、手書きのメモ、そして、オーディオ・ファイルが組み込まれた、いわゆる e-Book 形式のデラックス版です。


この自伝自体は、ニールの息子のベン・ヤングに捧げられている。

For Ben, my Hero, my Warrior

と巻頭に記されています。

彼には3人の子供があり、先妻のカリーとの間に産まれた長男ジーク(Zeke)、そしてニールにとってかけがえの無いペギーとの間に産まれた次男のベン(Ben Young)と長女のアンバー(Amber)がいます。

不幸なとは言ってはいけませんが、二人の男の子、ジークとベンは先天的な障害(脳性麻痺)を持って産まれて来ています。特に、ベンの方は症状がより重く、専任の介護士が付いています。それに心を痛め、そういった境遇の子供たちを支援し、最適な教育を受けさせる為に、ブリッジ・スクール(Bridge School)と言う非営利団体が運営する学校を設立しました。そうして、運営資金の捻出のために、この理念に賛同するアーティストによるベネフィット・コンサートを開催していることは広く知れ亘っていると思います。

すでに26回も開かれており、数々のメジャーなアーティストが参加しており、通常では実現し得ないコラボレーションによるステージが繰り広げられています。所属レーベル側との権利関係等の問題で、全てのライヴが映像、或いは音源化されている訳では有りませんが、興味は尽きません。AMAZONやiTunes Storeにて、ダイジェスト版のものは入手可能ですが、チャリティーという目的のせいか比較的高目のプライスですね。



Waging Heavy Peace 05






この自伝のモノローグである、第1章のタイトルは

BROKEN ARROW RANCH, SPRING 2011

The Young Family - Father Neil, Mother Pegi,

Children Amber and Ben

となっており、その通りにベンの話から始まります。と思っていたら、大きなカートン・ボックスを開けて大切な"ブツ"を取出します。




ニール渾身のコレクション(宝箱)の公開へと脱線して行くのです。 先ずは、鉄道模型とハンドメイドのジオラマの説明になります。米国では有名な、Lionel LLCと言う会社の模型を中心に、相当数の台数を所有しており、専用の部屋があるそうです。運行管理やサウンドの管理をするソフトウェアはゼロからの開発のようで、自画自賛しています。レコーディングでランチを訪れていた、デヴィッド・クロスビー(David Crosby)が虜になっていたと説明しています。

英語的な言い回しでは、"He's gone nuts" と言う表現がありますね。



このランチには、メインの家屋から50m離れた所に数々のコレクションを保管する、フィールグッドガレージ(Feelgood's Garage)があり、一つの部屋にはオールドフェンダー、マーシャル、マグナトーンズ、そしてアンペグ(Old Fenders, Marshalls, Magnatones, Ampeg)と膨大なヴィンテージ・アンプとスピーカーがコレクションされています。更に、もう一つの区画には50年代のアメ車、ビューイック、キャデラック(Buick, Cadellack)のコレクションが並んでいます。この本の中に収められた映像にも登場します。

当然ですが、手間暇をかけてレストアしており、53年製のリンカーン・コンティネンタル・コンヴァーティブル(Lincoln Continental Convertible)駆動系をハイブリッドに置き変えた自慢の逸品がリンクヴォルト(Lincvolt)です。ドライヴしている映像が収められています。





NY_PONO-WORLD





これで終わりかと思えば、彼が現在最もご執心となっているハイレゾ・プレイヤー、ポノ(Pono - PureTone)の紹介となる。現在の音源の圧縮技術のスタンダードである"MP3"を扱き下ろして、iPodとiTunesに取って代わる次世代技術として一気に広めようとしています。



DreamForce14-NY






昨年10月のセールス・フォースのカンファレンスにおいて、かつてのスティーヴン・ジョブス(Steve Jobbs)のようにマイクを付けてプレゼテーションを行っています。風貌がとてもCEOと言う感じではないのがニールヤングらしいですが、現在は自身が広告塔だけでなく、実際にCEOも兼務しています。




ご存知のように、ニールヤングはCDの音質にはかねてより異議を唱えております。

CDのスタンダードは44.1kHzで16bit

Ponoの方は192kHzで24bit

データだけの比較をすれば、情報量は20倍程度の差があります。但し、人間の聴覚上全ての音を聴き取れる訳ではないので、断定は出来ません。自身の顔で数々の著名なミュージシャンを、ポノの知名度を引き上げる為に引き込んでいますが、何処まで本気なのか読めません。




PONO-Player-01





ニール自身がある時期”恋に堕ちた”と言っている、ニコレット・ラースン(Nicolette Larson)と、そして、とてつもない才能を持った歌姫、リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)との懐かしいショットですね。特に、ロックの世界から離れてしまったリンダのことを残念がっていました。(ただ、リンダは難病にかかり、もう歌うことは無理になりましたネ)



□ with Nicolette Larson, Linda Ronstadt, and Crazy Horse in 1977

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誰のことをモチーフにしたのかは周知のことですね、そう、強い絆で結ばれていたはずの伴侶、ペギー・ヤングです。オリジナルでは、このリンダ・ロンシュタットの類希なコーラスな優しく寄り添っています。



◇ Neil Young - Unknown Legend in January 1993;