国鉄時代のキハ58 急行「たんご5号」 | 鉄道ビデオ

国鉄時代のキハ58 急行「たんご5号」

 1986年6月に京都駅山陰乗り場で撮影したモノです。まだJRになる前なのである意味本物の国鉄色です。この時代の編成は長くて豪勢ですね。民営化前の効率の悪さの証拠ともいえますが...。

 キハ58で面白いのは冷房用のエンジンを載せたキハ28(※1)の存在でしょうか。通常は180PSのディーゼルエンジンを2基搭載し合計360PSなわけですが,冷房用のエンジンを載せるスペースがありませんでした(※2)。
 そこで,駆動用エンジンが1基のキハ28の登場となります。キハ28に冷房用の電源を供給するエンジンを載せ,他の車両に電源を供給するという方式をとっていました。キハ58が2両にキハ28が1両という編成が多かったようです。当然ながらそのぶん駆動用の平均出力が下がってしまい,平均で300PSとなります。
 その当時山手線を走っていた電車の103系の出力が110kw×4=440kw=598psに比べると(※3),半分程度です。キハ47やDD51+オハフ50(9両)に比べればましですが,なんともまったりした世界でした。
 でも,こいつで旅行すると横見氏じゃないですが「着いたぁーーー」っていう感じがあったんですよね。


 

※1:キハ58と28の外観はほとんど一緒で,見分け方は腹部にあるタンクのキャップの数の違いだと聞いたことがあります。キハ58は2つあるのに対し,キハ28は1つ。ただ,いまいち自信がありません。ご存じの方がいたらよろしくお願いいたします。

※2:ちなみにいまだと1台のエンジンで駆動用と冷房用をまかなってしまうのですが,当時は別途用意する必要がありました。


※3:MT比率が編成によって異なるのでこのままということはありませんがとりあえず,モーター車の場合です