かつて茶葉を運ぶために造られた茶壺として名高いのは信楽の茶壷です。しかし、備前でも焼かれていて名品が残されています。焼き締め陶が茶葉の保存のためには適していたのでしょうね。

 かつての茶壷のサイズを小さくして花生けに使うのが今の茶壷の利用方法です。茶壷は幾分口が小さめで首が立ち上がっているので花が活けやすいはず。床においても棚においても似合います。肩についている耳は紐を通して口を縛るためにあるのですが、今ではこれがアクセントになってお洒落です。

今日紹介する落柿窯の茶壷は被せで焼いたものです。

 落柿窯作「備前茶壷」。