昨日母が白衣にアイロンをかけていました。
妹の学校給食用白衣です。

中学校卒業も秒読みの我が家の末っ子は
そのわきで数学の入試過去問題を解いています。


私が小学校1年生のとき、彼女はまだ1歳。
私と1歳半違いの弟も、ようやく自分より小さい妹が生まれ、
かわいくてかわいくて仕方がない様子でした。

家族全員が時間を見つけては妹を抱き、
おしめを替え、
お猿さんのような小さな小さな泣き顔を
必死に笑わせようとしていました。

あんなに小さかった妹も
もう給食白衣を卒業します。


給食の白衣といえば
私は自分が給食当番になった最初の一日目は
どことなく心が浮きだっていたを覚えています。

というのも
前の週に給食当番だった子の家の
お母さんの香り?
おそらく洗剤の香りですよね。
白衣をきて動くたびにフワフワ香るそのにおいが
なぜか私をウキウキさせるのです。

でもそれも1日目だけで
昔からがさつでおっちょこちょいだった私は
給食をよそうときに
いろんなものが
いろんなところへ(笑)


気が付くと
ゆかりごはんの名残や
麻婆豆腐を思わせるシミがあちこちにあり
奮闘ぶりが一目でわかる傑作の出来上がり。


金曜日に自宅へ白衣を持ち帰ると
毎回母がこれ見よがしにため息をつきながら
つけおき洗いの準備を始めるのです。


そんな母の学校給食用白衣を洗う14年間は
昨日で幕を閉じました。


真っ白い服にシミがついてしまったとき、
その洗う大変さを
一人暮らしになって初めて思い知りました。

お母さん
本当にありがとうございました。





最近母のなんともいえぬ笑顔を
何度も見ます。

それは
私の就職準備や
弟の一人暮らしにむけた動き
妹の白衣にアイロンをかける
その瞬間。


そんな母を見るたびに
私もふつふつと、
感謝の二文字では言い表せない
切なさというか名残惜しさというか
もう2度とは戻れない街を思うような
不思議な気持ちになるのです。