キックスタートは
今では珍しくなった バイクでのエンジンスタート機構の一つ
実際、何十回蹴っても かまわない、
とにかくエンジンがかかれば良いのだ!
より少ないキック数でかけるポイントを解説する
初心者からベテラン、にわかバイカーまで
しっかり見て、読んで、理解して
自分なりのキックスタートをキメてくれ!
注意事項
あくまで日常整備がされているキャブ付きバイクと仮定して進んでいくので、
不動車、不調車、冬の長期保管あけでキャブやタンク内のガソリンが腐ってるバイクとかは
論外だからな!
YAMAHA SRX-6 (600cc空冷単気筒)で学ぶ エンジン・キックスタート
-「数ヶ月~1週間ぶりにエンジンかけるよ」編-
事前準備
1.キャブのドレンボルトを一旦緩めて、古いガソリンを全部抜き、
元通りドレンボルトを締める)
抜いたガソリンはタンクに戻そう
2.燃料コックをPRI(常時開)にしてキャブに新鮮なガソリンを送る
(オーバーフローしないか確認)
(PRIはプライマリー(最初の位置、始動位置の意味)プライと読む)
3.チョークレバーを全開まで引く
気温や温かさ具合で引き量を調整
4.右ステップをたたみキックレバーを出す
混合気の吸引
5.チョークを引いた状態で2回キック
(4ストロークなので2キック1吸気、しっかり濃い混合気を600cc吸い込ませる)
チョークの量や吸引キック(吸気ック)の回数は季節、気温などで増減させるが
この部分だけは各自のバイクで適正値を探してしてほしい。
圧縮行程の上死点だし
6.キックレバーを何度か ゆっくり蹴り下げ、重くなるところを捜す
7.キックレバーを一番高いところまで戻す(ストロークとスピードを稼ぐ)
キック準備
8.ここではじめてキーをONにする(キルスイッチONも確認)
せっかく吸い込んだ混合気に上死点だしの途中でスパーク点火させないため(インジェクションは除く)
9.これからブレーキレバーを軽く握った状態で 本キック(本気ック)
(アクセルは開けない)
サイドスタンドをかけ跨った状態での転倒防止
さぁっ!キックだ!
10.少し力をいれて上死点を越えると軽く蹴れるから(最初5cmはちょっとだけ力が必要かも)
一気にすばやく蹴る!(ちなみにSRXは300rpm以下では火花が飛ばないらしい)
レバーの反動によるケッチンはキックレバーから足がはなれた場合に起きる。
キックの仕方は
・下まで踏み抜き2,3秒数えるイメージ
・地面に足を叩き込むイメージ
・キックレバーの一番下で 立てた空き缶を一気に ふみつぶすイメージ
祝!エンジン始動!
キックスタートで もっとも重要なのは
エンジン気筒内に吸い込まれたガソリンの混合気が
着火しやすい空燃比(A/F)になっていることであり、
タイミングよく強い火花で点火させることである。
空燃比とは空気とガソリンの混ざり具合のことで14.7:1が理想とされている。
濃い状態をリッチ、薄い状態をリーンと呼ぶ
濃すぎて酸素不足では点火しないし、
薄すぎて燃えてもピストンを押し下げるほど力が出ない
もともとキックスタートで エンジンがかかるように設計してあるわけだから
何度も蹴っていれば、そのうち空燃比等の条件がそろい
エンジンが かかるのだが簡単にかけるためにも知っておこう。
どのくらいカンタンにキックスタートさせられるか(動画)
次回 -「ツーリング先で少し休憩したら、かからないぞ」編- に続く