ニューカッスルがトップ10でシーズンを終える!! | Purely Belter

ニューカッスルがトップ10でシーズンを終える!!

イングランド・プレミアリーグは昨日、第38節が行われ今季の全日程を終了しました。今季プレミアリーグに復帰したニューカッスル・ユナイテッドは、ホームでチェルシーに3-0で快勝。10位でシーズンを終えました。

 

 

■昨季の王者を圧倒 昇格組ながらトップ10でフィニッシュ!!

最終節の相手は昨季王者。この試合開始前の段階で5位のチェルシーは、来季のUEFAチャンピオンズリーグ出場圏内の4位に入るためには、この試合に勝利し、かつ4位のリヴァプールが破れる必要がありました。

 

ニューカッスルは、そんなチェルシーを相手に前半から優位に試合を進めます。前半23分にMFマット・リッチーの右からのクロスにMFジェイコブ・マーフィーが頭で合わせ、そのこぼれ球をFWドワイト・ゲイルが押し込んで先制。後半14分には、MFジョンジョ・シェルヴィーのミドルを、FWアジョゼ・ペレスがわずかにコースを変えて追加点。さらにその4分後には、セットプレーから、DFフロリアン・ルジェンヌの折り返しをペレスが合わせて3-0としました。

 

この勝利により、ニューカッスルは10位を死守。2090万ポンド(約31億1336万円)の賞金を獲得することになりました。一時は降格圏ギリギリまで順位を落としていましたが、年が明けて見事な復活でした。昇格組ながらトップ10で終えることができた点は、大きな成功といえるでしょう。

 

■サポーターの願いは一つ "Rafa Benitez, we want you to stay."

私は1998年からニューカッスルを応援していますが、今季の選手の質は、これまでで最も低かったと思います。降格した08/09シーズン、15/16シーズンの方がメンバーは揃っていた印象です。そんな中、シーズンをトップ10で終えることができたのは、ラファエル・ベニテス監督がいたからこそでしょう。

 

チームはプレシーズンから、積極的に前線からプレスをかけて素早いカウンター攻撃を仕掛けていました。これまでは守備で綻びを見せる場面がありましたが、ベニテス監督になって守備の意識が格段に変わりました。前線の選手も自陣まで引いて守備陣をサポートしており、チーム全体でしっかりと守備ができていました。今季の失点数47はリーグ7位。本当に素晴らしい数字です。

 

リヴァプール、インテルナツィオナーレ・ミラノ、レアル・マドリードといった蒼々たるクラブを率いたベニテス監督。これまで理不尽に批判されることも多々ありましたが、彼が獲得してきたタイトルの数を見ても、世界屈指の名将であることに疑いはないでしょう。そんなベニテス監督が、ニューカッスルというクラブを率いているのは、とても奇跡的なことかもしれません。勿論ニューカッスルも世界的なクラブですが、ベニテス監督の実績を考えると、ヨーロッパ王者を狙うクラブを率いていてもおかしくないのですから。

 

他クラブの監督交代がある度に、ベニテス監督の移籍の噂がニュースになります。しかし、幸いなことに、ニューカッスルのサポーターとベニテス監督の間には非常に太い絆があります。試合中もベニテス監督へ向けたチャントが唄われ、ベニテス監督もサポートへの感謝を口にしています。この試合中も、"Rafa Benitez, we want you to stay."とのチャントが響き渡りました。ニューカッスルのサポーターは、来季もベニテス監督がチームを指揮してくれることを願っているのです。

 

■来季はもっと上へ…そのためには充実した戦力を!!

ベニテス監督はチーム残留に前向きなコメントを出しています。しかし、彼が長くニューカッスルに留まってくれるためには、チームが「より上を目指す」というビジョンを示すことが不可欠。そしてそのためには、ベニテス監督が求める戦力を整えることが大切です。

 

チームにとって唯一の懸念材料は、「オーナーであるマイク・アシュリーがしっかりとチームをサポートするか」ということ。2007年にオーナーに就任したアシュリーは、これまでチームに大きな混乱をもたらしてきました。08/09シーズンにはケヴィン・キーガン監督を辞任に追い込み、その後2度のチャンピオンシップ(2部相当)降格もありました。

 

アシュリーは戦力補強にも消極的で、今季開幕前も大きな補強を行わず、冬の移籍市場でもレンタル移籍のみの補強にとどめました。移籍市場が開くタイミングでクラブ売却を考えている旨の声明を出し、結局は売却に失敗する…という方法で資金捻出を回避しています。クラブのためにも、そしてアシュリー本人のためにも、いち早くクラブを売却した方が良いと思いますが、残念ながら実現していません。

 

チームとしては、冬の移籍市場においてレンタルで加わった選手を完全移籍で獲得することが最優先事項です。特に、GKマルティン・ドゥブラフカとMFケネディはチームに大きく貢献しました。GKドゥブラフカはハイボールと一対一で強さを発揮し、多くのピンチを防ぎました。ケネディは思い切りの良い仕掛けでサイドを突破し、数多くのチャンスを演出しました。来季ニューカッスルがさらに躍進するためには、彼らの力が不可欠です。

 

また、前線に決定力のあるストライカーを獲得する必要があります。FWドワイト・ゲイル、ホセルは守備面で貢献していましたし、前線で身体を張ったポストプレーもありました。しかし、決定力という意味では物足りなさがあります。シーズンで二桁ゴールを計算できる選手を加えなければなりません。レンタル先でゴールを量産したFWアレクサンダル・ミトロヴィッチを呼び戻すのか、或いは他の選手を連れてくるのか…いずれにせよ、FWはチームの補強ポイントの一つになるはずです。

 

ニューカッスルには素晴らしいスタジアムがあり、これまで世界的な選手を数多く輩出してきました。そして何より、世界一のサポーターがクラブを後押ししています。こうした背景を考えると、クラブはより多くの成果を挙げていてもおかしくない。リーグ制覇は難しいとしても、リーグで上位に入りヨーロッパの舞台で戦うチームであるべきです。来季ニューカッスルが飛躍のシーズンを迎えることを願っています。

 

 

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