ニューカッスルが劇的な逆転勝利で3位に浮上!! | Purely Belter

ニューカッスルが劇的な逆転勝利で3位に浮上!!

今季はチャンピオンシップ(2部相当)で戦うニューカッスル・ユナイテッド。プレミアリーグ復帰のための戦いは既に10試合を消化しており、ここまで6勝1分3敗。前節はノリッジ・シティに4-3と劇的な勝利を収め、首位と勝点差3の3位に浮上しました。


■ロスタイムの2発で昇格争いのライバルを撃破

ニューカッスルは28日、本拠地セント・ジェームズ・パークにノリッジを迎えました。ニューカッスルと同じく、プレミアリーグから降格してきた"カナリーズ"は、この試合を首位で迎えました。メンバーの質の高さを考えても、昇格争いの最大のライバルとなる相手です。

試合はニューカッスルが先制。24分にMFマット・リッチーの左足アウトサイドでのクロスを、FWドワイト・ゲイルが合わせました。しかし、前半終了間際にPKで同点に追いつかれると、後半7分にFWキャメロン・ジェローム、24分にはMFジェイコブ・マーフィーにゴールを許し、1-3と2点リードを許す展開となりました。

しかし、ここからニューカッスルが怒涛の反撃。27分にMFジョンジョ・シェルヴィーのロングボールに抜け出したゲイルが、相手DFを巧く制してシュート。これが決まり1点差に詰め寄ると、直後にFWアレクサンダル・ミトロヴィッチを投入して前線の枚数を増やします。34分にはシェルヴィーのボールを受けたゲイルがシュートを放ちましたが、これは相手GKマイケル・マクガヴァーンにセーブされました。

試合はロスタイムに突入。ニューカッスルのシーズン4敗目が見えてきましたが…ここから2ゴールが生まれます。ロスタイム5分、右サイドでこぼれ球を拾ったDFデアンドレ・イェドリンがクロスを上げると、これをMFヨアン・グフランが頭で合わせ同点に。さらにその1分後には、シェルヴィーのロングパスをミトロヴィッチが胸で落とすと、ゲイルが相手DFをかわしてシュート。これが決まり、ニューカッスルが4-3と試合をひっくり返しました。

最後までスリリングな展開となった試合を制したのはニューカッスル。シーズン6勝目を挙げ、首位と勝点差3に迫る3位に浮上しました。一方で敗れたノリッジは首位陥落、2位に後退しました。

■ハードスケジュールに耐え得る選手層の厚さ
ラファエル・ベニテス監督体制でプレミアリーグ復帰を目指すチームは、夏に充実した戦力補強を行ってシーズンに入りました。DFダリル・ヤンマート、MFジョルジニオ・ヴァイナルドゥム、ムサ・シッソコを失いましたが、代役としてイェドリン、リッチーらの他、MFモハメド・ディアメ、クリスティアン・アツといった実力者を加えることができました。

開幕2連敗スタートなりましたが、その後5連勝。17日にウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズに0-2で敗れましたが、昨季はプレミアの舞台で戦ったアストンヴィラ、ノリッジとの2連戦を1勝1分で切り抜けることができました。アストンヴィラ戦は決定機を外し、終盤に同点ゴールを許すという勿体無い試合でしたが、ノリッジ戦ではチャンスをモノにすることができました。

昨季と異なるのが、試合数の多さ。週末のみならずミッドウィークにも試合が入るため、1カ月で5試合のリーグ戦、カップ戦を含めると6試合を戦うハードスケジュールとなっています。今季のニューカッスルは選手全員が守備をしっかりと行うため、1試合の疲労度も大きなものがあります。こうしたタフなシーズンを戦うことができているのは、チームの"選手層の厚さ"が理由でしょう。

降格によりヴァイナルドゥムやシッソコといった選手は退団しましたが、主力選手の流出を最小限にとどめることができました。また、彼らの移籍により得た移籍金で、上記のような素晴らしい選手を加えることができました。各ポジションに厚みが増し、ベニテス監督は、選手を上手くターンオーバーさせながら試合に臨んでいます。

ベニテス監督が2部リーグを戦うのは、CDテネリフェを率いていた2000/01シーズン以来のこと。ヨーロッパの2部リーグは、過密日程や相手チームの粗さなど、独特の難しさがあります。そんな中、リッチーやゲイルをはじめ"チャンピオンシップの戦い方"を熟知している選手が多く加わった点は、ベニテス監督にとって頼もしい限りでしょう。

■"当たり前"に結果を出すことの難しさ

ニューカッスルは、今季のチャンピオンシップ優勝候補筆頭に挙げられています。ニューカッスルが本来いるべき場所はプレミアリーグなのですから。素晴らしい監督・選手が揃っている点は勿論、クラブは素晴らしい歴史を刻んできましたし、世界に誇れるスタジアム・サポーターもいます。そうした意味で、今季は"勝って当然"の戦いが続くこととなります。

しかし、下馬評通りの結果を出すことは非常に難しい。先のリオデジャネイロオリンピックでも、レスリング女子53kg級の吉田沙保里選手が金メダルを逃しましたし、フェンシング男子フルーレ個人の太田雄貴選手はメダルに手が届きませんでした。一方で、昨季のレスター・シティのようなミラクルが起こることもあります。「やってみなければ分からない」のがスポーツの世界です。

09/10シーズンにチャンピオンシップを戦ったとき、ニューカッスルは、2位に11ポイント差をつけてリーグ優勝&プレミアリーグ復帰を決めました。このシーズンに喫した黒星は4つでしたが、今季は既に3敗しています。試合を重ねるにつれて調子を上げてはいますが、チームはまさに"下馬評通りの結果を出すことの難しさ"を感じている最中といえるでしょう。

現在のニューカッスルは、質の高いサッカーをすることができています。前線からしっかりとチェックを行い、ボールを奪ってからは中盤やサイドバックの選手も参加して分厚い攻撃ができています。しかし、フィニッシュの場面で精度を欠くことも多く、逆に相手に少ないチャンスを決められてしまうことも目立ちます。ニューカッスルにとって重要なのは、早く首位に立つこと。そのためには、内容のみならずスコアでも相手を圧倒することが求められます。

■最下位を叩いて再び連勝街道へ!!
ニューカッスルにとって10月は重要な戦いが続きます。1日にアウェーでロザラム・ユナイテッドと対戦し、その後は、ここまで好位置をキープしているブレントフォードFC(ホーム)、バーンズリーFC(アウェー)との試合が控えています。リーグ戦は混戦が続いているため、10月最初の3連戦での出来が今後を左右しそうです。

ここで連勝し一気に他のチームを引き離したいところですが、難しい問題もあります。10月は第2・3週にインターナショナルウィークが入ります。この期間はリーグ戦が行われないものの、ニューカッスルは多くの選手が代表に選出されるため、休みなしで15日のリーグ戦を迎えることになるのです。ヨーロッパでの試合がほとんどですが、イェドリンはアメリカ大陸まで移動しますし、アツやディアメはアフリカで試合を行います。

ベニテス監督にとっては非常に難しいメンバー構成を強いられますが、一方で明るい材料もあります。MFフルノン・アニータは出場停止から明けてロザラム戦から出場可能になりますし、パフォーマンスが低下していたDFシャンセル・ムベンバもノリッジ戦でベンチ入りを果たしました。ここまで出場機会の限られているDFアシュラフ・ラザール、FWアジョゼ・ペレス、ダリル・マーフィーらにとっても、出場のチャンスとなります。

次の対戦相手であるロザラムは現在最下位。昨季は21位で何とか降格を免れましたが、今季も苦しい戦いを強いられています。敵地での試合ではありますが、しっかりと勝点3を獲得し、良い形で10月のスタートを切ってほしいところです。


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