Jリーグ経由ニューカッスル・ユナイテッド行き | Purely Belter

Jリーグ経由ニューカッスル・ユナイテッド行き

ここまでリーグ戦18位に低迷するニューカッスル・ユナイテッド。昨日まで開いていた1月の移籍市場では、代表クラスの4選手を獲得しました。最後に獲得したのはコートジヴォワール代表FWドゥンビア・セイドゥ。そう、嘗てJリーグでプレーしていた"バネ"ことドゥンビアです。


■得点力不足に悩むニューカッスル

今季のニューカッスルは、ここまで23試合を戦い5勝6分12敗。41失点という数字にも驚きですが、25ゴールという数字にも寂しさを感じます。ゴール数こそリーグ15位ですが、他のクラブは失点が少なく勝点を拾っている印象。攻守両面で低い数字を叩き出しているのは、ニューカッスルと最下位のアストンヴィラぐらいでしょう。

ここ数試合はチャンスを多く作れている印象ですが、序盤戦は全くと言っていいほど攻撃が機能しませんでした。DFラインはボールを奪っても苦し紛れに縦へ蹴るだけ。そのボールが前線に収まらず、再び攻撃を受けてしまい、守る時間が続きました。MFムサ・シッソコやジョルジニオ・ヴァイナルドゥムの個人技を活かしたカウンター攻撃もありましたが、厚みに欠け、効果的にゴールを奪うことが出来ませんでした。

2016年に入ってから、DFラインからのロングボールがFWアレクサンダル・ミトロヴィッチに収まり、そこからサイドへ上手く展開することが出来るようになりました。DF陣の負担も減り、これまでのような勿体無い失点も減った印象です。さらに、MFジョンジョ・シェルヴィー加入により、パスでリズムを作ることが出来るようにもなりました。劇的にゴール数が伸びたわけではありませんが、継続あるのみ。今後もこのようなパフォーマンスを維持してほしいものです。

■1月の移籍市場で中盤にテコ入れ

ニューカッスルは1月の移籍市場で3人の中盤を加えました。前述のシェルヴィーをはじめ、セネガル代表のアンリ・セヴェ、イングランド代表のアンドロス・タウンセンドが加入しました。フルノン・アニータが怪我で離脱しており、シェイク・ティオテも中国への移籍の噂が絶えない。このような状況下で、シェルヴィーとセヴェという実力者がセンターに加わったのは頼もしい限りです。

また、サイドも手薄となっていたため、スピード溢れる突破でチャンスを作るタウンセンドは違いを見せてくれそうな選手。今季加入したフロリアン・トヴァンは出場機会も少なく本来の実力を発揮できませんでしたし、ガブリエル・オベルタンも怪我。ヨアン・グフランも守備面での期待が大きいようで、試合終盤での起用が目立ちます。アジョゼ・ペレスやヴァイナルドゥムはどちらかというと1.5列目で見たい選手のため、純粋なサイドアタッカーが加わったことは大きいと思います。

ニュース等をチェックする限り、クラブは前線の補強を優先事項としていたように思えます。確かに、最近はチャンスを逃す惜しいシーンも目立ちます。しかし、ここまでゴールが少ないのは、チャンスを外しすぎたからというよりも、効率的な攻撃をすることが出来なかった点が大きいように思えます。ようやくチャンスが増えてきたばかりですし、そこまで「決定力不足」を気にする必要もないのかな~と思います。

■日本でもお馴染みのストライカーが加入
とはいえ、パピス・シセも負傷離脱中ですし、エマニュエル・リヴィエールも復帰したばかり。1トップとはいえ、FWの層が薄いのも確かです。そんな中、ドゥンビアの加入は頼もしい限りです。買取オプション付きのレンタル移籍です。

弱冠18歳でコートジヴォワール・プレミアディヴィジョン得点王を獲得。2006年に柏レイソルへ移籍し、2008年にはレンタル先の徳島ヴォルティスでゴールを量産しました。代表デビューは2008年の日本代表とのキリンカップ。当時は数合わせでの招集だった記憶がありますが、その後も代表に定着し続け、2010年のW杯にも出場しております。

Jリーグでプレーした後はスイスのBSCヤングボーイズとロシアのCSKAモスクワでプレー。それぞれで得点王を獲得し、世界に名を轟かせました。昨季途中にASローマへ移籍するも13試合2ゴールと振るわず。今季は古巣のCSKAモスクワへレンタルされていました。ロシアでは再び高い決定力を見せつけ、12試合で6ゴール。攻撃を牽引しました。

ドゥンビアの持ち味は高い身体能力。爆発的なスピードとジャンプ力を活かしてゴールに迫ります。ローマでの失敗が気がかりではありますが、イングランドはイタリアほど守備の意識が高くないため、ドゥンビアにも合っているのではないでしょうか。嘗てオバフェミ・マルティンスが活躍したように、アフリカ人らしいプレーでゴールを量産してほしいですね。

■唯一の懸念材料は負傷者が多いこと 
4人の選手が加わり、各ポジションに厚みが増しました。2月から順位を上昇させたいところです。しかし、今季も怪我人の多さが目立ちます。特に左サイドバックは選手が不足している状態です。マサディオ・アイダラ、ポール・ダメット、ケヴィン・エンバブは負傷離脱中。ジャック・コルバックが務めることもありますが、彼も怪我を抱えています。

前線と並び、左サイドバックの補強も噂されていましたが、残念ながら獲得には至りませんでした。レンタルで出されていたシェーン・ファーガソンもミルウォールへ完全移籍してしまいました。前節のワトフォード戦のように3バックで臨むことも考えられますが、従来の4バックの方が機能しているように思えます。上記の選手たちが早く復帰すると良いのですが…。

プレミアリーグはハードスケジュールですが、ニューカッスルの怪我人の多さはリーグ屈指。データでは、負傷離脱者の離脱日数がリーグで唯一1000日を超えております。FWダニエル・スタリッジをはじめ多くの負傷者を抱えるリヴァプールですら965日ですから、ニューカッスルの台所事情が如何に苦しいかが分かります。折角チームの調子が上向きつつあるのですから、毎試合ベストメンバーで臨みたいところです。

次節はアウェーでのエヴァートン戦。年明けは強豪との対戦が続き勝点を伸ばせていませんが、攻守に穴のないチームです。難敵相手に勝点を獲得してほしいところです。

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