ニューカッスルが2016年初勝利 | Purely Belter

ニューカッスルが2016年初勝利

プレミアリーグは第22節が行われ、ニューカッスル・ユナイテッドはホームでウェストハム・ユナイテッドに2-1で勝利しました。2016年初勝利を挙げたニューカッスルは、これで暫定ながら降格圏を脱しました。


■前半の2ゴールを守り抜き勝点3を獲得
ここまで5位と好調をキープするウェストハム。前節もAFCボーンマスに1-3で逆転勝利しており、公式戦3連勝中と波に乗っています。一方のニューカッスルは公式戦6試合勝ちなし。前節はマンチェスター・ユナイテッドと3-3の引き分け。内容面は向上しているものの、そろそろ結果が欲しいところです。

苦しい試合になることが予想されましたが、前半6分に先制ゴールを奪います。MFジョンジョ・シェルヴィーの縦パスをMFジョルジニオ・ヴァイナルドゥムが落とし、MFアジョゼ・ペレスがシュート。これが決まり、早い時間帯でリードしました。さらに15分には、シェルヴィーのロングパスを受けたDFダリル・ヤンマートが右サイドを突破して中へ、これをヴァイナルドゥムが合わせ2-0としました。

その後もチャンスを作ったニューカッスルですが、フィニッシュの場面で精度を欠き追加点を奪えず。後半4分にミスからFWニキツァ・イェラヴィッチに1点を返され、その後ヒヤリとする場面もありましたが、何とか守備陣が守りました。後半12分には新加入のMFアンリ・セヴェ、試合終盤には守備での貢献度が高いFWヨアン・グフランとDFジャマール・ラッセルズを選手を投入。6分間のロスタイムも耐え、2-1で勝利しました。

■攻撃の起点となった新加入のシェルヴィー

出場した選手全員が力強いプレーを披露しましたが、中でも新加入のシェルヴィーの存在感が際立っていました。2ゴールに絡み、その他の場面でもライナー性の長いパスを送り攻撃の起点となりました。攻撃時にはパスを受けやすいポジションに、守備時にはしっかりと戻ってスペースを埋めていました。動き自体はゆっくりとしていますが、試合の流れを読むことが出来る選手だと思います。

MFヨアン・カバイェがチームを去ってから、ニューカッスルにはパスで攻撃のリズムを作る選手が不在となっていました。ここ最近は、個人の力に頼ったカウンター、苦し紛れのロングボールなどでチャンスを作る場面が多く、お世辞にも質が高い攻撃が出来ているとはいえませんでした。そんな中、シェルヴィーはニューカッスルの攻撃に新たな風を吹かせてくれそうです。インサイドだけでなくアウトサイドでも丁寧なパスを送ることができ、一瞬でチャンスをもたらしてくれます。

チャンスがあれば積極的に前線に顔を出してゴールを決める点で、嘗てニューカッスルで活躍したリー・ボウヤーのようなイメージがありました。しかし、長短の正確なパスを出すことができ、強烈なミドルを打つことができる点ではMFスティーヴン・ジェラードを彷彿とさせます。ニューカッスルでのデビューは素晴らしいものとなりました。このパフォーマンスを維持し、イングランド代表でも不可欠な存在になってほしいですね。

■チャンスをしっかりとモノにして勝点3を!!

後半は相手の時間帯になることもあり、結果的には2-1の辛勝でした。これまでのニューカッスルであれば2点目、3点目を失ってもおかしくない試合でしたが、粘り強く戦って勝点3を手にしました。失点後も浮足立たず、アグレッシブな姿勢を貫いた点は、今後へ向けて好材料となりそうです。

2016年に入ってから、FWアレクサンダル・ミトロヴィッチにボールが収まり、そこを基点としてチャンスを作ることができています。ヴァイナルドゥムやペレスは勿論、両サイドバックのオーバーラップも増え、分厚い攻撃が目立ちます。低い位置でボールを奪われることも少なくなったため、これまでのように守備陣形が整う前に崩されるシーンも減りました。CBのシャンセル・ムベンバとファブリシオ・コロッチーニへの負担も減り、安定感が増しました。

これから勝点を積み重ねるためには、得点力を向上させることが不可欠。ここ2試合は計5ゴールを奪えましたが、チャンスの数を考えると、もっと欲しいところでした。今冬の移籍市場でFW獲得を求める声もあります。確かにシュートが枠に飛ばない場面もありましたが、それはこれまでチャンスの数が少なかったからだと思います。そもそもボールを敵陣まで運ぶ回数が少なく、試合の中でシュートを打つことに慣れていなかったのでしょう。ですから、多くのチャンスを作ることこそが得点不足を克服する近道だと思います。

ミトロヴィッチは高さと強さを兼ね備えており、ヴァイナルドゥムもサイドからのボールに合わせるプレーが巧い。ペレスも器用なシュートを打てます。粘り強くチャンスを作ることで、彼らがゴールを奪ってくれることでしょう。前述の通り、シェルヴィーという新たなピースが加わり、攻撃の質向上が期待できます。サイドから崩すことのできる選手も多くいますから、ボックス内に多くの選手が入り、ゴールへ結び付けてほしいところです。

これまで苦しんだニューカッスルにとって、今回の勝利をキッカケに上昇したいところ。以前ジョゼ・モウリーニョ監督が指摘した通り、チームにとって必要なのは「継続性」。今季も、難敵相手に素晴らしい戦いを見せたかと思えば、勝つべき相手に乏しい内容で敗れることが多くありました。チームはここ3試合を充実した内容で戦い、そのうち2試合では結果も出ています。このパフォーマンスを続けて結果を出すことが大切です。

次節はアウェーでのワトフォード戦。ワトフォードは昇格組ながらここまで12位。キケ・フローレス監督は多国籍軍団を上手くまとめてチームを作っています。守備面ではGKエウレリョ・ゴメス、攻撃面ではFWオディオン・イグアロの奮闘が目立ちます。今季はリーグ戦とFAカップで対戦しており2敗、同じ相手に3度負けるわけにはいきません。難しい試合になりそうですが、勝点3を期待します。


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