■アカデミーは内容重視 でも、映画はエンタメでなくちゃね。

 --今年のアカデミー賞は3D映画の娯楽大作「アバター」と、イラクを舞台にした戦争映画「ハート・ロッカー」の一騎打ちといわれてましたけど、結果は「アバター」の完敗でした

 國村 昔からアカデミーは内容重視、問題意識重視といわれてますから。「アバター」の興行的な成功はお客さんがすでに評価しているから、私たち(アカデミー会員)が評価する必要はない、というスタンスを取ったんじゃないですかね。

 --それっておかしいですよね。「ハート・ロッカー」がいい映画なのも、映画が文化なのも認めますけど、その前に興行としての評価をきちんとすべきじゃないでしょうか

 國村 カラー映画がでてきたときと同じように、ある種の保守的な層が、大ヒットした3D映画というのを認めなくなかったのかもしれませんね。ただ、映画館への往復の時間も含めて、1日のうちの3時間以上使わせて、しかもお金をいただくわけですから、映画はエンターテインメントでなければいけないと思います。

 --國村さん自身、今月から6月まで月1本のペースで映画に出演されています。なかでも気になるのが6月公開予定の「アウトレイジ」。北野武監督とは初めてですよね

 國村 そうなんです。

 --役者からみて、北野監督ってどんな監督なんですか?

 國村 悪い意味でなく、せっかちな監督さんですね。現場がとてつもなく早い。香港映画の撮影現場もアバウトで早いけど、撮り直しは何度もする。北野監督は、多少音声に問題があっても「いいよ、そこアフレコにしよ」って感じで。慣れるとそのリズム、私には結構あってましたね。

 --どんな映画、と聞かれても困りますか

 國村 そうですね。R15指定のやくざ映画としか(笑)。ストーリーテリングで勝負する監督じゃないですからね。その分、描写と映像の雰囲気で訴える力がものすごい。ごらんになったら、私と同じシーンが、一番印象に残ると思います。ある「殺し」の後のシーンなんですが、なぜか俯瞰(ふかん)になって、海と風車を映し出すんですけど、それがいかにも北野流で。大好きなショットです。

 --映画ではないですけど、NHKの「大仏開眼」(4月3、10日)では聖武天皇におなりになるとか

 國村 あの時代に聖武天皇がなぜあれだけの大仏を作ろうとしたのか。まあ、中身は番組を見ていただくとして、より楽しんでいただくための豆知識をひとつ。いま難波宮跡公園に展示されている大仏半身像は、プロデューサーが「CGでは人との距離感がでない」と発泡スチロールなどで作ったんですけど、聖武天皇当時のものを史実を基づいて再現してます。

 --確かに今の東大寺の大仏とちょっと感じが違います

 國村 より女性的というか丸みのあるお顔でしょう。あれだけ大きい(高さ9メートル)のがセットの中にあると、存在感ありましたよ。

 --テーマの「経済」から少し脱線してしまいました

 國村 そうだ。(あす)27日午後4時20分、テレビ大阪の経済ドキュメンタリー「カイロスの微笑」、見てくださいね(笑)。=おわり(聞き手 鳥居洋介)

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