ブックオフの特徴その2は「平積みがない」ということだ。
ブックオフの什器は、もともと平積みを想定したつくりになっていない。唯一平積みスペースがあるのは100円本コーナーである。
なぜ、ブックオフには平積みがないのだろうか。
まず「平積み」とはなんのためにあるのか考えてみたい。
新刊書店ではたくさん売りたい本は平積みにする（井狩春男氏によると「ベストセラーは平積みと面陳からしか生まれない」そうである）。
また、新刊書店ではたくさん売れている本はたくさん入荷するので平積みにせざるを得ない。
つまり、平積みとは「ある特定の一冊」をたくさん売りたいとき、たくさん売れるときに必要な陳列方法なのである。
そしてブックオフに平積みがないのは、「ある特定の一冊をたくさん売る必要がないから」もしくは「ある特定の一冊をたくさん売ることができないから」であろう。
それから考えると、ブックオフという形態の新古書店は「ベストセラーを必要としていない」のではないだろうか。
逆に考えると、新刊書店は「ベストセラーを必要としている」とも言える。