Am Fam Physician.
2004 Mar 15;69(6):1417-24.
Nail abnormalities: clues to systemic disease. その2
Fawcett RS
, Linford S
, Stulberg DL
.
Thomas M. Hart Family Practice Residency Program, York Hospital, York, Pennsylvania 17405, USA. rfawcett@wellspan.org
出典:http://www.aafp.org/afp/2004/0315/p1417.html
では今日からはおのおのの爪変化に関して詳細な内容を読んで行きたいと思います。
爪の成長異常
黄色爪症候群
黄色爪症候群で見られる爪変化は、以下のように詳細されます。
・爪の成長の遅滞
・肥厚している外観
・爪の両外側部は病的に凸状
・爪半月の消失
・爪の黄色調変化
下の写真はMerck medical libratyからとってきた写真です。
しかしよく見ると、爪半月はあり爪の肥厚も顕著ではないので、これを黄色爪症候群と呼ぶには無理があるのではないかと思います。
下に他の出典からの黄色爪症候群の写真を示します。これがイメージに近いのではないかと思います(写真の出典:http://www.umm.edu/imagepages/2014.htm )。
6月19日示した表に、関係する疾患群に関し記していますが、以下の点を付け加えます。
・リウマチで黄色爪が生じる場合、チオール系薬剤で治療されています(ブシラミン(リマチル)、金チオリンゴ酸ナトリウム(シオゾール))。
・病因はよくわかっていないが、リンパ管の輸送異常が関係しているのではという説や、毛細血管の透過性の亢進による組織内への蛋白の漏出と関係しているというものもある(よって、低アルブミン血症や胸膜浸潤、リンパ管腫と関係があるのではとしています)。
追記:黄色爪というと一般に爪への黄色ブドウ球菌感染症を思い描きますが(というか私はそうでした)、黄色爪は次のような外観で、さらにすべての爪に生じるというわけではありません。イメージとしては爪の遠位端から病原体(黄色ブドウ球菌や白癬菌が侵入し徐々に爪半月の方向に進出してくるという感じでしょうか。
写真の出典:http://www.nhs.uk/conditions/nail-abnormalities/Pages/Introduction.aspx
さらに付け加える点として、黄色爪症候群における色と形態的変化はすべての爪に認めるという点が挙げられるでしょう。