「未知との遭遇」とはこのことでした。
「事務所の応接に利き酒マイスターの証書が飾られていましたよね」
「相当な日本酒好きとお見受けしました」
遊びでいただいた賞状を飾っていたばかりに幸運な機会に恵まれました。
私が日本酒を呑みこんでいたのは、三ツ矢酒店の先代がお元気だったころ。
もう20年以上も前のこと。
まさか酒屋の向かいが松沢先生のご自宅だとは、夢にも知らずに日参して、
おやじのうんちくに耳を傾けては、1本持ち帰えるという日々でした。
「寿司屋なんですが、酒とつまみが進みすぎて、握りにたどり着いたことがないんです」
触れ込み通りの内容でした。
日本酒はこんなに進化しているのか・・・見たこともない酒が次から次へと注がれていきます。
最初のつまみが、マンボウの腸、焼き肉やで食べるミノを想像させる食感。
「ちゃんと海のものですよ~」こんなのりで、酒も肴も驚きの連続でした。
6:30に入店して店を出たのが0:30。
お相手の強さと店の凄さに完敗の一夜でした。