大阪LEC(東京リーガルマインド)弁理士入門講座(秋生)を担当しております、

マイナー&ニッチな弁理士の木戸です。

弁理士試験の本試問題の解説や、

弁理士の仕事やその周辺で起こった出来事等を

さっくりと綴ります。

解説は、不定期にアップします。


LECのサイトに行くと、顔写真もあるのですが、

何となく恥ずかしいので、顔は伏せます。

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2012-06-04 12:15:27

第一問

テーマ:平成24短答
1-0 〔1〕地域団体商標に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1-1 (イ) 地域の名称のみからなる商標又は地域の名称と図形を組み合わせてなる商標は、地域団体商標として登録を受けることができない。
1-2 (ロ) 他人の地域団体商標の商標登録出願前から、その地域団体商標と同一又は類似の商標を同一又は類似の商品又は役務について不正競争の目的でなく使用している者は、その商標が周知となっていなくても、その商標を使用する権利(先使用権)を有する。
1-3 (ハ) 地域団体商標制度は、商標登録の要件を緩和する制度であるから、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある地域団体商標登録出願であっても、登録を受けることができる。
1-4 (ニ) 地域団体商標に係る商標権を有する組合等の構成員(地域団体構成員)は、相続等の一般承継による場合を含めて当該地域団体商標に係る登録商標の使用をする権利を移転することができない。
1-5 (ホ) 地域団体商標の登録がその設定登録時に商標法第7条の2第1項に規定する周知性の要件を満たしていなかった場合、そのことを理由とする商標登録についての無効の審判は、商標権の設定の登録の日から5年を経過し、かつ、当該審判の請求時点において周知性を獲得するに至っている場合には、請求することができない。
解説 条文の上っ面からもう一歩踏み出せば、簡単にわかる問題です。
1-1 地域団体商標は、地域の名産品や地域独特のサービスを名称として保護するもの、地域名だけではダメです。また、図形と組み合わせると、識別力が生じてくるため、それはそれで権利化すればよく、地域団体制度を利用する必要はない。
1-2 権利者たる団体に属していないからと言って、地域の名産品などをまっとうに扱っている者の使用を禁止したら、本末転倒。そのため、通常使用権を付与します。
1-3 地域団体商標は3.1.3の例外であって、それ以外に拒絶理由があるなら拒絶されます。
1-4 商標法上では一般承継も含めて移転することはできません。ただ、地域団体構成員の地位の承継は一定の条件下可能でしょうけど。
1-5 この理由で無効にする実益がない。もし、無効となったとしても、条件を満たしているから、再出願すれば権利化されます。
2012-05-31 12:34:29

来週あたりから短答の解説を始めます。

テーマ:平成24短答
いま、鋭意解説を作成中ですが、
今年の短答本試はカックラキンな問題が少なく、
良問が多いような気がします。

基礎がしっかりしている人は、何もしなくても
合格点に達するのではないでしょうか?

口述本試からのフィードバックの結果だと私はにらんでいます。
つまり、口述試験委員の、
「本当に論文合格したの?基礎が全然できてない」
こんなつぶやきが、今年の短答に反映されたような気がします。

逆に言うと、短答対策として逐条的に論文を勉強すれば
口述対策がばっちりできるというわけです。

以下は宣伝です。

来年は、口述まで一気に突破だ!!と思われている
関西在住の受験生は、
是非、木戸の短答実戦力完成講座をお試しください。
短答試験対策に軸足を置きながら、いろんなところで論文や口述の対策も講義する
一粒で三度おいしい講義となっております。

ガイダンスもありますので、LECのページをチェックしてください。

では、近いうちにお会いいたしましょう。
2012-05-31 12:30:30

ようやく終わりました

テーマ:平成23論文
とりあえず、論文の解説を終わります。

最後の商標(3)は、気合いを入れて記載したつもりですが、
後から見直すと、?が飛ぶ表現が散見されます。

まあ皆さんは、反面教師で学んでいただければ幸いです。

では、続いて短答の解説に移ります。
お楽しみに。
2012-05-28 12:13:18

新日鉄 VS ボスコ

テーマ:産業財産(知財)
特殊な鋼板についての、ノウハウが流出したらしい。
これについて、不正競争防止法に基づき訴えているらしい。
我が国の法律で行くと不正競争防止法2.1.7に規定されている不正競争行為に該当するでしょう。

詳細(でもないが)は、下記SANKEIBIZで

【底流】怒りの新日鉄 極秘技術「方向性電磁鋼板」なぜ流出したのか

当該事件で最も恐ろしいところは、ボスコがへたを打たなければ、訴訟に持ち込めなかった所でしょう。
さらに、当該訴訟は進行中でありその行方は藪の中です。

もしボスコが完璧なら、ノウハウは盗まれ損で終わります。本当に恐ろしいことです。

以下は、新日鉄がと言うわけではなく、一般論として記載します。
こんな状況を回避するためには、まず、ノウハウ流出に対し責任のある人間が、ノウハウの知財としての
価値をきっちり把握した上で、その価値に見合った投資によってノウハウの流出を防がなければなりません。
流出させた人々を非難する前に、流出を阻止できなかった事実に恥じ入るべきです。

ところが、今の世の中、上記のような責任者がいるようで、いない。だから恥じ入ることもできず、改善もできない。
これが我が国メーカー凋落の一因だと思うのだが。いかがでしょう?

少なくとも、ノウハウを持ったものが退職する直前に、特許出願をしておけば、強力な絶対的権利で
20年間は保護し続けることができたような気がします。
ぱくられるくらいなら、公衆への開示による20年間の保護を得た方が特ではないのでしょうか?

なんか、要領を得ないまとまりのない文章で、すんません。

2012-05-25 17:52:45

商標法(3)

テーマ:平成23論文
(3)
 意匠法の保護対象が物品の美的外観の創作であるのに対し、商標の保護対象は業務上の信用であり
両者は大きく異なる。
 しかし、商標法は業務上の信用を直接保護することができないため、業務上の信用が化体する商標を
保護することにより間接的に業務上の信用を保護している。
 ここで、商標、特に立体商標は、物品の外観となる場合があり、意匠法の保護対象と共通する場合がある。
 この場合、美的外観の創作が商標権により永久的に保護できることとなり問題となる。
 しかしながら、意匠権により物品の外観が独占的に保護された場合、業務上の信用はこの外観に化体しやすく、意匠権の存在により、商標権を付与しないとすると、意匠権の満了後などにおいて、第三者が当該外観を自由に実施できることになり、需要者保護の観点から妥当ではない。
 一方、商標権の存在により意匠権を付与しないとすると、商標の登録要件故に創作非容易な意匠であっても
権利化できない場合があり、仮に権利化できたとしても不使用により取り消される場合もあり、
創作の価値を貶めると共に、美的外観の創作を保護して産業の発達を促す意匠法の趣旨に符合しない。
 また、意匠権と商標権を併存させ美的外観の創作を商標権で永久的に保護したとしても、意匠は流行性が
あり、長年の実施により意匠は陳腐化するものであるため、意匠権満了後の意匠の使用を第三者が望むとは
考えにくい。
 以上により、上記状況下であっても商標権による保護は許容すべきであると考える。


 もう一つ言及しておかなければならないのは、
 意匠権の消滅した後は、何人も当該意匠を自由に実施できるわけであり、当該意匠の自由実施により
獲得した業務上の信用は、積極的に商標権で保護すべきである。
 これも加えておいた方がよいかもしれない。
 大昔に権利が消滅したレトロな意匠を誰かが掘り起こして商標化したい場合もありますよね。
2012-05-25 17:24:07

商標(2-3)

テーマ:平成23論文
(2-2)のようにキャッチーな部分の識別力に基づき登録された商標権は、
原則としてキャッチーな部分を中心に類否が判断されます。
ただし、判断の重点がキャッチーな部分になるだけで、最終的には全体判断となります。

また、登録時における行政庁の判断と、侵害時における司法の判断とは大きく異なります。
本試の採点は行政庁が行うため、行政庁向きな答案だと、

登録商標は、ありふれた瓶の形状とキャッチーな商標との組み合わせからなるものであり、
ありふれた瓶の形状を指定商品と同一の商品に使用しても権利範囲外である。
また、26.1.2において商標権の効力が及ばない点が確認的に規定されている。

こんな感じでしょうか。

これも、立体とか平面とか関係ありません
○に高が登録されていて、第三者が○を付していたとしても、権利行使されません。

ただし、司法は、甲乙のそれぞれの瓶が酒屋に並んでいて、多くの需要者が出所混同をしている
事実があれば、権利侵害となる可能性もあるでしょう。
不正競争防止法の周知混同もありますし。



2012-05-25 12:58:58

商標(2-2)

テーマ:平成23論文
 商標の識別力はぱっと見ぃの印象に基づくものです。
 もう少し詳しく書くと、ぱっと見たときの全体の印象と目につく部分とのコラボが印象としてまず残ります。
 そして、目につくところを二度見でガン見し、出所などを確認することになります。

 ですから、商標のどこかにキャッチーな部分があれば、識別力を有することになります。
 これは別に、立体に限定されるわけではなく、平面でも同じことです。

 商標全体として識別力を備えていれば、商標の一部に識別力の無い標章が存在していても
 商標の機能を発揮することができるため、保護されます。

 たとえば、ありふれた○の中にありふれた文字である高が書いてあるだけの高島屋の商標であったとしても、
 高の自体が特殊で赤色であれば、十分に登録できるわけです。
2012-05-24 12:53:59

商標(2ー1)

テーマ:平成23論文
(2-1)
 サントリーの角瓶と、ヤクルトの容器ですね。

 原則として、容器の形状、特に、収容物が液体の容器(瓶)の形状は、
 問題文に記載のように、商品等の用途,機能から予測し難いような特異な形態や特別な印象を与える
 装飾的形状等を備えている場合を除き3.1.3で登録されません。

 以上を勘案すると、権利化のための主張事項は、
 αが特異な形態であって、識別力を備えるものであることを主張すればよい。

 ただ、角瓶の場合は、直方体的な瓶に亀甲模様はありふれているとして、特異性は認められませんでした。

 次に主張すべきは、形態としてはありふれているかもしれないが、
 長年の使用によって識別力を獲得している、だから3.2に該当するから権利をくれ、との主張です。

 角瓶の場合、小雪から菅野にいたり、めっちゃ宣伝してるし、瓶だけでも識別力を獲得している
 と主張しましたが、(一部に嘘、誇張が含まれています)

 あんたが獲得した識別力は、角瓶とい名称や黄色のラベル込みの全体によって発揮されているものであり、
 ラベルと分離した瓶だけではあきまへん。
 と判示されました。

 角瓶と同じような経緯をたどったヤクルトですが、ヤクルトは引き下がらなかった。
 アンケートを用い、容器のみで識別力が発揮(ヤクルトを想起する)されることを立証しました。
 ここまでされると、3.2を認めざるを得ないでしょう。
 ヤクルトの容器は立体形状として登録されました。

 ただ、私の考えとしては、ヤクルトのアンケートは、非類似の範囲を明確に現しただけで、
 権利は獲得したものの、あまり強力な権利とは言えず、投資対効果は非常に疑問です。
2012-05-24 12:39:54

商標法(1)

テーマ:平成23短答
(1)
噂には聞いておりましたが、いざ真剣に考えるとなかなか出てきません。
立体商標制度導入当初ならいざ知らず、今頃になって・・・とは思います。

まあ、条文を読み返すと、3.1.3と4.1.18でしょうけど、

3.1.3の商品の形状(包装含む)は、
商標の機能が備わらない一態様を示したのであって、
それは、立体であろうが平面であろうがかわりないと思います。
ですから、立体商標であるがゆえに、という設問にはぴたりと合致しているとは思えません。

4.1.18とて、立体商標導入時に新設された条文ですけど、
不可欠な形状は、識別力を発揮できないはずですが、3.2もあることなので
確認的に設定されたものです。
ですから、あるが故に、にはぴたりと合致していません。
たとえば、視力検査用のCマークを出願した場合、それが、3.2を満たしていた場合、
どうなるんでしょうね。


2012-05-24 12:23:36

意匠(2-2)

テーマ:平成23論文
(2ー2)
ロが登録されていると言うことは、優先権が認められているということ。
さすれば、先使用権の判断基準日は第一国出願日となる。
乙さんの準備は第一国出願日よりも後からであるから
先使用権は認められない。

つぎに、先出願に基づく通常実施権
甲のパリ優先が認められているため
第一国出願から第二国出願の間の事象に基づき
権利権能を発生させてはならないので、
この通常実施権も認められません。

なお、優先権は出願日が遡及するものではありませんので、
「先願ではない」を理由にすると、だめでしょう。

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