文学部的名言 白馬岳 | 根性なしの山登り

文学部的名言 白馬岳


根性なしの山登り


                                                 (2011年9月)





1日目




9月の連休に大学時代の友人のさーさんに誘われて白馬岳に登ることになりました。


夜中3時に東京を車で出発、7時過ぎに猿倉からスタートします。


こういうスケジュール辛いです。




根性なしの山登り



林道を歩き、山道になってすぐに白馬尻に到着します。


ここで休憩。


本日は青空見えるも、雲はかなり多いです。




根性なしの山登り



雲の中が大雪渓。


9月後半ですから大雪渓はかなり小さくなっております。


7月だったら目の前ぐらいまで雪渓が残っているのかなあ。




根性なしの山登り



アイゼンを装着して大雪渓に突入。


雪渓の上は冷えますね。



根性なしの山登り



けっこう大きい亀裂があちらこちらにあります。 


これが深くて、落ちたら死にそう。


側まで見に行きたくなるんですよね。


それでヒヤッとする場面に遭遇したりなんかして・・・


なので遠巻きに進みます。




根性なしの山登り



登っていくと雲を抜けまして、青空がちらほら望めます。


雲にまかれているのと青空が見えるのでは


同じ雪渓を行くのでも気分的に段違いです。



根性なしの山登り



登ってきた雪渓を振り返ります。


雲の中から登山者が列になって湧き出してきます。


雄大な景色です。



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思ってたよりも雪渓の距離は短かかったでした。


アイゼンを外して、白馬岳頂上を目指して進みます。




根性なしの山登り



葱平あたりですかね。


白馬大雪渓崩落事故はこのあたりだったのでしょうか。


ここは雪崩による死亡事故も発生しており


注意が必要な場所なのでしょうが


あまり前方とか気にせず歩いておりました。





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天狗菱。


また、雲が下りて来ます。


避難小屋あたりから急激に気温が下がり


雪?雹?霰?が降りだしました。


(雪のわりには粒がちょっと大きいような。雹と霰は区別つきません。)


ですので1日目の写真はこれで終了です。


9月後半は秋山から冬山だということは頭では理解していても


現実的に下界はまだ夏の延長みたいなものですので


数時間前まで下界にいた者としては


この急激な天候の変化にはなかなかついていけません。


白馬山荘までは風も強くなり、とにかく寒かったでした。


今回は吹雪まではいかなかったですが、


何年か前の10月初旬にこのあたりで吹雪かれて疲労凍死した事故がありました。


分かる気がします。






ところで、おもしろいことを発見いたしました。


白馬山荘での夕食のときのことですが


同じテーブルに一見60代半ばA氏、50代後半B氏、


そしてさーさん(私より年上)、私、30~40代C氏、D氏、30代女性Eさんと


7人で食事をしておりました。


A氏、B氏は単独登山、C氏、D氏、Eさんはグループです。


食事開始から3分ぐらい経ったでしょうか。


A氏がご飯のおかわりをしました。すごい勢いで食べています。


そして今度はB氏がご飯のおかわりをしまして、これまた速い。


その後、A氏味噌汁のおかわり → さーさんご飯のおかわり → B氏味噌汁おかわり


→ さーさん味噌汁おかわり → A氏ご飯おかわり ・・・ (続く)


で、結局 


A氏、B氏、さーさん → ご飯3 味噌汁3 、 以下4人 → ご飯1 味噌汁1


これが年齢順にきれいに区分けされているのですね。


( 私は山でお腹がはるのが嫌なので故意におかわりはしません。 故に対象外。)


年輩者のほうが元気で生命力旺盛なのでしょうか。


若者はあくまでスマートで自然体なのでしょうか。


代謝による消費カロリーは若者のほうが大きいはずです。



そういえば、いつも私の記事に登場する友人のたーさんですが


たーさんも山に来ると大食漢になります。


ただし、たーさんの場合は然程山好きでもなく身体もそれほど丈夫ではないため


「死んでしまうのでないか。」という潜在意識もしくはDNAが食べさせるのだそうです。


本日の3人はそうは見えないからなあ。


育った世代、環境と山における食事の傾向および相関関係、


これから観察していきたいテーマとなりました。







2日目





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晴れました。 焼けました。


ただし焼けた写真は露光不足で掲載見送りです。




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杓子岳、白馬鑓を背にして出発します。



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薄っすらと雪化粧。


昨日の寒さがご理解いただけるでしょうか。




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以前の記事と同じようなことを敢えて書かせていただきますが


空の青さが宇宙に近い。




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今回のベストショット。


要塞のような白馬山荘と剣岳。




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そして富山湾、日本海。



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右側に頭だけだしている山が気になります。


どこだろう。


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白馬岳頂上は目前です。



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しかし予想しなかった寒さでした。


寒いと思って覚悟して来るのと、予想しなかったのでは


同じ寒さでも体感温度違うものですよね。



根性なしの山登り



白馬岳頂上です。


山名標識を撮っていないのは、ただ混雑していたから。



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白馬岳北側からのショットです。


東側は切れ落ちていますね。




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これから歩く小蓮華山の縦走路がきれいです。


右側下方は栂池の自然園となります。



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雪倉岳方面。


こちらも縦走して日本海へ抜けるのをやってみたいです。




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三国境です。


ゴールデンウィークに大量遭難があった場所ですね。


この山域に気象条件の変化による遭難が多発しているのは


日本海に近い列島の北側だからなんでしょうね。





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この縦走路はおだやかで歩き易い道でした。



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小蓮華山に到着です。


鉄剣がささっております。


インターネットの記事で見たのですが


この山の景色がNHKの「坂の上の雲」エンディングに使われたとか。


気がつきませんでした。




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本日の山行は、白馬を振り返っては進み、また振り返っては進むの連続でした。




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逆光のさーさん。


さーさんはこの写真が気に入り、年賀状の一部に使ってくれたそうです。



で、さーさんなんですが、


山の要所要所では自分のデジカメを私に渡し


「この山名標識と自分の全体を入れて撮ってくれ。」とか


「○○山をバックに上半身で撮ってくれ。」などと言ってきます。


私は山では一切自分の写真は撮らないですので


このさーさんの行動はあまり理解できず、


ある時 「さーさんはナルシストか?」という質問を投げかけたところ


しばらく熟考していたさーさんは


「自分の写真を一切撮らないbenoのほうが究極のナルシストだと思う。」と返してきました。


事の是非は正直どうでもいいのですが、


その言い回しに往年の文学部的エセ知性的表現が感じられて


なんだかうれしくなってしまいました。


齢をとっても青臭く意味のない議論をしてみたいなあ。




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船越ノ頭だったでしょうか。


ここを越えて下ると



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白馬大池に到着です。


ここはいいところです。 のんびり休憩します。




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ここを最終目的にまったりとテント泊なんていうのもいいですね。



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さすがにこあたりまで下りてくると暑くなってきますので半袖になります。


朝の服装とは大違い。




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乗鞍岳で雲の中に入ってしまいましたが


本日はここまでたいへん良い天気の中、気持ちよく歩けました。




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天狗原の湿地帯を通過して栂池に下ります。





後立山連峰の気象の変化の一端もちょっとだけ体験できて


有意義かつたいへんいい山でした。  堪能しました。