セビリアのタブラオ 3000ペセタ。

初めてのフラメンコは、迫力あるカンテ(歌)、

12拍の珍しい拍子、そして踊り手の表情。

今までにない空間。

悲哀、絶頂、緩急、弛緩、陶酔、血。


数名単位の団体客が帰るころから、盛り上がってくる。

もっというと、客など演者には関係ないのかもしれない。

日付が変わり、ローカルな人と盛り上がる演者たち。

もうそれはショーではなく、ほんの戯れだったのかもしれない。


異様な熱気を帯びた僕らは、丑三つ時を過ぎた頃、

タブラオの入口前で、2人組みの日本人女性に話しかけた。

ミュンヘン在住とシンガポール在住の方。

スペインで合流したらしい。

アライさんらはミラノ在住だし、日本にいるのは僕だけだ。

日本人同士はいいものだ。

海外に住む者同士、異国生活の話しをして盛り上がる。

僕にしてみれば、どれも興味津々だ!

世界には知らないことがたくさんあるのだ。