マレーシア有閑マダム紀行 其の9
いよいよマレーシア最終日。夜にはまたシンガポールに渡り、機上の人となります。
マレーシアは常夏で、日中はかなり暑いですが朝晩はけっこう清々しいです。
マッチャンの部屋のベランダから。向こうに見えるのはシンガポール。
朝食はナント、マダム特製の手作りパンでした。
「すごい!焼き立てでしょ?(昨晩の怒涛の晩さん会明けなのに)かなり早起きしたんじゃない?」
「いや~。そんなことないよ。30分もあればできるし。パンはやっぱり焼き立てが美味しいやろ。」
「ゴルフができる(しかも上手い)」と並行して「美味しいものを作ることができる」というのは有閑マダムの必須条件のような気がする。
手作りパンをいただいた後、マレーシア初日にオーダーしてあった額を引き取りに行きました。
実は、「こっちで額装するとめちゃくちゃ安いよ。」と言われていたので、日本から額装したい銅版画を持参していたのです。
10年くらい前に京都の古本屋で買ったシィクスピア劇の登場人物が描かれた銅版画。
↑
台紙部分は臙脂色で、縁はアンティーク調のグリーンがかった銀色。
額縁屋のラオバン(社長)もとても誠実で優しい雰囲気の中華系のおじちゃん。
何十種類もある額縁と、台紙(絵のまわりの色)から自分の好みの組み合わせを選んで、オーダーするだけ。
こんなに立派なのが、たったの25RM(リンギット)日本円で750円くらい。
「駐在マダム御用達の額縁屋だと、少なくとも3倍はするよ。でも、ここはアタシが偶然見つけてフラっと立ち寄ってみたら、安いし早いし、ラオバン(社長)はいい人だし、本当にオススメ。」
「部屋に飾ってある手ぬぐいとか風呂敷なんかもいい感じに額ってあったよね。」(額ガクる:額装するという動詞。)
「そうそう、安いからつい何でもかんでも額りたくなるのよ。」
大満足で額縁屋を後にしたアタクシ達はJBのイスラム文化圏を観光。
モスク付近の土産物屋には「身体の中をキレイにする(いかにもあやしげな)薬」や白いイスラム帽やお守りが売られていました。
「さて。最後の麺はラクサだね。ラクサっていうのはカレー味のラーメンで、この店は地元でも有名でいつも混んでるんだ。」
「なるほど~。マレーシアにはホントにいろいろな種類の麺があるね。」
「ラクサはココナッツミルクベースだから、かなりカロリーが高いと思うんで、小サイズでいいね。」
「いつも注文しなくても勝手に出てくるんだよね。つみれのような、何だろう?」
「辛っ!予想していたよりも辛い。」
カレーラーメン「ラクサ」はマイルドなお味でした。
厚揚げとかまぼことツミレがトッピングしてあります。
「この店ってさ、女系家族みたいで。いつ来ても女の人ばっかりがすごくテキパキ働いてるんだ。」
「あの腹の出たおっちゃんは?ヒマそうにしてないで注文くらい聞きに来ればいいのに。」
さて、家にもどってアタクシはスーツケースに荷物を詰め込みます。
あんなにスカスカだったスーツケースが、フタが閉まるかどうか怪しい感じになっていました。←そんなに買い物をした記憶がない。
しばらくするとメイドさんがやってきて、部屋の掃除やシーツ交換、アイロンがけをやってくれています。
「やっかいな水回りの掃除はもちろん、棚とか扇風機の拭き掃除までやってくれるなんて・・・素晴らしいねぇ。」
「このくらいの部屋なら週イチくらいの通いで来てもらうだけで大丈夫だけど、一軒家に住んでる友達のところはさすがに住み込みのメイドさんを雇ってるよ。」
「アナタ、こんな楽を覚えたら日本に帰ってから大変なことになるわよ。」
「それは覚悟しとるけど、日本じゃこんな広い部屋に住めないでしょ。それくらいなら自分でやるし・・・」
と言ったそばから、メイドさんが里帰りのため来週は来れないという報告を受け、
「えぇ~っ!ショック!部屋の掃除は自分でやるから良しとして、誰がアイロンかけるの?」と嘆いているではないか。
「一般的な日本の主婦はアイロンがけもやってますよ。アイロンがけが趣味で自分でワイシャツのアイロンかける男の人も稀にいるけどね。」
夕方、帰宅したばかりの旦那さんの車でシンガポールまで送ってもらいました。
この時旦那さんの車がクラウン級の立派車(シートは革張り)だったことに驚き、しかも通勤時などは運転手が付くという事実に再び驚く。
空港への高速道路は少し渋滞していましたが、おかげ様で予定通り搭乗の2時間前には到着いたしました。