今回の参詣は、港区芝の茶の木稲荷神社へ。

ここは、慶応義塾大学三田キャンパスの南側、桜田通りの三田二丁目交差点。『慶応仲通り商店街』の中へ入ってすぐ。

 

 

 

 

茶の木稲荷

当社には御由緒が見当たらないので、詳細はわからない。

唯一慶応仲通り商店街のホームページに祭神が稲荷大神であることのみ確認できた。

同名の茶ノ木稲荷で有名なのは、市ヶ谷亀岡八幡宮か、日本橋人形町の旧佐倉藩堀田家の稲荷の二か所。どちらかの御分霊だろうか。

 

 

 

手水鉢・・・かな。

 

 

 

 

奉納額

この中では個人名が多いのだけど、奉納者の居住地が記されていて、三田以外に四国町(三田)、松本町(三田)、麻布、大崎、中目黒、野方(中野区)、最も遠いところでは川崎の奉納者も居たようだった。「今半横丁」は検索しても地名辞典を見てもわからず。

またこの中で「松乃鮨」は、明治43年浜松町にて創業、昭和11年に大森海岸に移転したそうで、現在の4代目は寿司アンバサダーとして国内外で広く活動されている。クリーニングの日置は、お店はすでに無いけど三田5丁目に日置ビルが現存。

 

 

内陣

覗いてみると、だいぶ年季の入った狐像から、矢大臣と思われる像などが見られる。

 

 

 

狐像

向かって右が宝珠を抱え、左が子を抱える。どちらも吽形っぽい。

 

 

 

瑞籬 みずがき

周囲の瑞籬にも、ひと升ずつ奉納者名が刻まれている。

ここでは、現存しているお店としては、明治18年創業の三田花銀と、こちらも明治18年創業の和菓子店・芝榮太樓の名前が見られる。創業130年の花屋さんというのはとても珍しいかな。

ところでこの瑞籬、「御大典記念」と刻まれてはいるものの、大正時代と昭和のどちらに建造されたものなのかがわからない。

 

 

 

写真はすべて2016.9.25 撮影

 

備考

社号 茶の木稲荷社

祭神 稲荷大神

創建 少なくとも昭和11年以前

祭日 三月中旬(三月二午日の前後の休日か)

末社

社務所

所在地 東京都港区三田5-25-2

その他

 

 

周辺散歩

 

慶応仲通り商店街

商店街の内、茶の木稲荷までが旧三田同朋町で、江戸時代前期は松平讃岐守邸、それ以降は町人町としてあった。この写真の十字路の先から田町駅前までの両側は、三河岡崎藩水野監物のお屋敷があったところ。

 

 

 

お屋敷跡という雰囲気はまるでないけど、昭和レトロな面影を感じさせる飲食街。

こういうところはやはり夜に一度来てみたい。景色だけ撮りに来たのと、一杯飲むつもりで訪れるのとでは、目に入るものも違ってくるだろうし、なにより迷宮感が出ていそう。

 

 

 

田町駅方面には抜けず、もとの三田二丁目交差点側へ。

ここから見える東京タワーが一番好き。

ちなみにこの辺り、かつては勝手が原といい、一面原野が広がっていたそうで、太田道灌が出陣の際は軍勢をここで整えていたとか。