1972年にヒットした「サルビアの花」と言う曲は複数の歌手による競作でした。

歌謡曲には、この競作という発売方法をとるケースがしばしば見られました。

ほかに有名なところでは、「東京五輪音頭」なども競作で各社から様々なバージョンが発売されています。

で、「サルビアの花」の場合、一番ヒットしたのは、もとまろと言う女性フォークグループが歌ったバージョンでした。


もとまろ 「サルビアの花」





女性のグループが歌うとキレイに聴こえますが、詞の内容は、かなりストーカーっぽい男の心情を歌った暗い失恋ソングです。


同時期に発売された、岩淵リリの「サルビアの花」は、より歌謡曲的です。


岩淵リリ「サルビアの花」



より、普通の失恋ソングっぽく聴こえませんか?

では、この曲を男性が歌うとどうなるんでしょう。

甲斐バンドの甲斐よしひろもカバーしています。

甲斐よしひろ 「サルビアの花」




ふられた男の心情が、よりリアルになった感じがしませんか。


もともと、この「サルビアの花」は、日本のロックバンドの草分けと言われている、ジャックスのリーダーだった早川義男が1969年にURCレコードから出したソロアルバム「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」に収められていた曲でした。

発表当時は一部のファンの間でしか話題にならなかったのですが、何故72年に、突然競作と言う形で様々な歌手に歌われるようになったのか、その辺りは謎です。

最後に、作者の早川義夫自身が歌うオリジナルバージョンの「サルビアの花」です。

早川義夫 「サルビアの花」




もとまろや岩淵リリのバージョンとはかなり違う雰囲気ですね。

早川義夫の方が、この歌本来の失恋した男のストーカー的な狂気を帯びた暗い情念がより強烈に伝わって来るように思います。

もとまろバージョンの爽やかさも捨てがたいんですが。まあ、そこから先は好みの問題ってことで・・・

早川義夫はその後、1972年から音楽活動を休止、川崎で早川書店と言う本屋さんを経営していました。

そして、23年後の1994年に再び音楽活動を再開。現在も歌い続けています。




かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう <エレック/URC復刻プロジェクト2009> [CD] / 早川...

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