本駒万覚え帖

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ホンコマヨロズオボエチョウ

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七夕の週末の『キモノ里親さがし』の際は、たくさんのご来場ありがとうございました!

なんだかふとしみじみしたので、少し経ってしまいましたが改めて。‬


七夕私が着物委託リユースイベント『キモノ里親さがし』に関わらせていただくようになって4年ほどになりますが、気づけば顔なじみの方も増え、また初めての方が気軽に覗きに来てくださることもずいぶんと多くなりました。


(イベント詳細はこちらから → キモノ里親さがし)‬


今回も本当に賑やかに色々な方がお出かけくださり、みなさまと次々楽しくお話ししているうちにあっという間の3日間でしたおねがい


‪いつも変わらず嬉しいのはお客様がお帰りになる際に「楽しかったです」「また遊びに来ます」と言ってくださることで、ゆっくり静かにご覧になる方もお喋りにいらっしゃる方も、それぞれに心地よく楽しく過ごしてくださったのかな、よかったな、と、軽やかな心持ちでお見送り。‬


‪これからお着物を着てみたいのだけれど…と初めて来てくださった方が「来てよかった」「楽しかった」とニコニコお帰りになる時は特にホッと嬉しく思います。‬


‪元々は物理的なスペース提供という形で始まった関わりですが、もし今お着物を通して「あそこに行くと楽しいな」と言う「場」を提供するお手伝いができているようなら幸せです照れ


呉服屋でもなく着付師でもなく、むしろ私の方が教えていただいたり遊んでいただいているような気持ちで、行き届かないことばかりですが…


ご来場くださるみなさま、信頼して大切なお着物を預けてくださるご出品者さん、一緒に遊ばせてくださる主催の『竹ノ輪』さんに、改めまして感謝感謝、でございます。


と、急に柄にもなく真面目で気恥ずかしいのですが、思った時に書いておこうかなぁと、とキョロキョロ


「これからも楽しく続けられますように」と言うのが私の織姫様へのお願いごと、かしら。


今月は以下の‬日時に、半蔵門キモサトルームにお手伝い出没しています。半蔵門は出張イベントの時より更にゆるゆる、ゆっくりご覧いただけると思います。お気軽にお出かけください

7/19(金)17:00-20:00
7/21(日)13:00 - 18:00
7/28(日)13:00 - 18:00
7/31(水)13:00 - 18:00


‪🔶7月その他日程はこちらから → キモノ里親さがし

🔶開催情報やお預かり品物の情報は、Instagramほか各種SNSで随時更新されています。お着物写真色々楽しいのでご覧ください♫

🔶『澤田写真館』は貸しスタジオ、レンタルスペースです。各種イベントご利用、お気軽にご相談ください!




澤田写真館のある文京区、隣接した台東区、北区田端周辺は、いまでこそオシャレで勢いのある街の人気に押され位置の説明にさえ苦労することがありますが、実は明治から昭和にかけて小説家や画家、彫刻家など多くの文化人が暮らした土地として知られています。

 

また坂を上がって本郷通り(ブラタモリ的に言うと「本郷台地の上」)の大和郷(やまとむら)と言われるエリアは政治家や著名人が住んだお屋敷街です。

 

そんなわけで、大正生まれの祖父が昔話を始めると思いがけない登場人物がさらりと出て来て驚く事があります。

昨日は家の修理の相談をしていたところで「高村の息子が、光雲な、あいつがむかしうちのドブ板壊しゃがってな」と。うっかり驚いた後でいくら祖父でもどうも計算があわない気がしてさっそく検索して再確認したところ高村光雲の息子の高村光太郎の話でした。

 

当時三越に出品する彫刻作品や家族写真の撮影のために度々来ていたのだそうです。

 

「近くだったからだろ、うちの他に写真撮るところぁなかったからな。親父に買ってもらった車でうち来てドブ板壊して行っちまいやぁった、どうも山の上の方の人は偉そうでいけなかったネ。」

 

とこぼしつつそこはかとなく自慢げに見えたのは孫の気のせいかも知れませんが…

 

その話を聞いて私が想像したのは二十歳になるかならないかで髪を撫でつけた生意気なお坊ちゃんですが、ここでまたふと疑問に思って「ん?光太郎さん年上?よね?」と訊いてみると「あぁずーっと上だよ!」

 

祖父が写真館を開業したのが1949年、高村光太郎は1956年に73歳で亡くなっているので、実際ずっと年上で、そして晩年の頃の話でしょう。ロダンのように写実的な彫刻作品や『道程』のような立派な詩も、ドブ板壊してスタコラサッサと逃げてしまった和装のおじいちゃんを想像すると何だかとたんに可愛らしく思えるから不思議です。

 

その後おまけのように「一緒に来てた光太郎の息子がうちで撮影みてるうちに結局カメラマンになったんだぞ」と付け加えた祖父の表情は明らかに自慢げで、「町の写真屋さん」でいる事を貫き60年撮り続けて来た矜持が垣間見えたように思います。(注※)

 

 

いまは静かな動坂町ですがまたご近所さんがいつか教科書に載るような事もあるかも知れません。町の賑やかしに「高村光太郎ドブ板の碑」でも建てるか、といういただけない冗談からまた立て板に水のごとく次から次へと話題は移っていったのでした。

 

それにしてもいまだにまったくボケる気配もなく、ボケている時はおよそわざとであろうという祖父ですが、何と言っても江戸弁で大言壮語の大正生まれ、落語同様に話半分で読んでいただければ幸いです。

 

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※  これも正確には息子ではなく甥でした。また「うちで撮影みてるうちに」のことの真偽は定かではありませんのであしからず…倉庫に大量にあるネガの中からいつかご本人の写真が発見できるといいのですが!

 

 【高村規(たかむらただし)】

   1933-2014 昭和後期-平成時代の写真家。広告、ファッション、建築

   などの撮影を手がける。伯父高村光太郎と智恵子夫妻をテーマとする

   個展も多い。日本広告写真家協会会長、高村光太郎記念会理事長をつ

   とめた。    (「コトバンク」より抜粋)

 

※ 写真は戦後に建てた仮住まいのトタンの前で祖父が撮ったもの。曾祖母の長火鉢の引

  き出しに何枚かの古い写真と一緒に保管されていました。

 

※ 澤田写真館は現在レンタルサロンとして営業しています。カメラマンご紹介での撮影  も可能です。お気軽にお問い合わせください。

      東京都文京区本駒込4-39-9 

      sawada_studio@yahoo.co.jp

  

 


この度澤田写真館ホームページに価格等の情報を追加しました。


https://www.sawadastudio.com/rates-policies/


これまでご来館いただいた上で価格とご利用のご案内をしていたのにはいくつかの理由があったのですが、そのひとつが、様々なご利用目的がある中でみなさまそれぞれにきちんと納得していただいて、ご利用いただきたかったということ。


澤田写真館は、いまはレンタルスペースですが、元々は名前の通り写真館です。


材料も乏しい戦後から祖父が手作業で仕上げた写真をお客様にお手渡しして来ました。


ものを作る人、ものを表現する人、その人たちを支える人、そんな人たちを澤田写真館は応援しています。


いままで約2年、色々な方に色々な形でご利用いただき、私共も色々な経験をさせていただきました。


それをふまえた上で、より多くの方がより活躍されるための足がかりとして、なるべくご不便なく使っていただけるように、価格等を再設定して掲出することに致しました。


作品発表の場が欲しい方、店舗を持たないけれど直販の場が欲しい方、ご自身のスペースを持つまでの経験にしたい方、どうぞお気軽にご相談ください。



いままでご来館いただいたみなさま、不慣れな運営の相談をさせてくださったみなさまに改めて心より御礼申し上げます。


今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようよろしくお願い致します。



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