中韓“日本外し”狙う 朴氏、北問題で新枠組み提示か きょう首脳会談
2013.6.27 07:28 (1/2ページ)[韓国]

北京=加藤達也】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は27日、中国を訪問、北京で習近平国家主席と会談する。韓国歴代大統領が就任後、日本より先に中国を訪問するのは初めて。北朝鮮問題などで、日米韓よりも米中韓の枠組みを重視する韓国の外交姿勢を象徴する訪問となる。

「習主席は朴大統領を『古い友人』と最大級の呼称で呼んだ」「史上最高級のもてなしとなる」(韓国メディア)など中国側の歓迎ムードが伝えられる中、朴大統領は、中韓が主軸となって北東アジア地域の問題を協議する枠組みを中国側に提示する可能性がある。

*馬鹿程 もてなされる

日本の歴史認識への対応でもこの枠組みを当てはめて「中韓共同対処」を模索する動きと見る向きもあり、中国側の思惑ともあいまって“日本外し”が進む恐れも否定できない。

首脳会談の最大テーマである北朝鮮の核問題については、会談後に共同声明を発表し、北朝鮮に対する両首脳の認識の一致と共同対処方針を確認する見通しだ。

一方、金正恩(キムジョンウン)体制安定化のために軍事的な緊張を高めてきた北朝鮮は最近、日本、中国と特使外交を展開。米国、韓国にも対話の開催を要求するなど対話攻勢を仕掛けている。

韓国には、朝鮮半島安定化に主導的な役割を果たしたいとの思惑があるが、対話の糸口はつかめていない。

韓国は、北朝鮮による今年2月の3度目の核実験以降、銀行取引停止など、中国が北朝鮮に対する制裁を強めた措置を「高く評価している」(韓国政府筋)とされる。

しかし中国は従来、一貫して北朝鮮を擁護してきただけに、今回の首脳会談でどこまで実効性のある対北合意を成し遂げられるかに注目が集まる。

朴大統領が、北朝鮮をめぐって今後も長期にわたり協調が求められる日米中との距離感をどう示すか、日本の外交当局も注視している。