ざこば師匠のお言葉 | 桂米紫のブログ

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米朝一門の落語家、四代目桂米紫(かつらべいし)の、独り言であります。

昨日まで繁昌亭昼席の出番で、水曜と土曜以外は、ざこば師匠とご一緒でした。

僕がこの世界に入らせて戴いた頃は、まだかなりトンがっておられ、怒ると本当に恐いお師匠さんでしたが…そんなざこば師匠も、今年七十歳。
ここのところ、すっかり丸く、お優しくなられました。

いえ、もちろん前から優しいお師匠さんでしたよ!

でも、お孫さんがお出来になられてから、その“優しさ”が益々まろやかに、まるで熟成されたかのようなのです。

その“熟成された優しさ”が高座にも滲み出ておられて、我が大師匠の事を絶賛するのは変かも知れませんが…ざこば師匠の高座は、袖で聴かせて戴いてても、何だか涙が出てくるのです。


ところで繁昌亭には「輪茶輪茶庵」という待合所がございまして、そこにその日の出演者の、チェキ写真入り直筆コメントが掲示されております。


ざこば師匠、どんな一言を書いてらっしゃるんやろう…と読ませてもらって、そのコメントにも何だか涙が出そうになりました。


「なんとかなるやろ」


そう。

人生は辛い事や悲しい事の連続ですが…大抵の事は、なんとかなるものなのです。